10km以上のロングライドも可能!?イギリスでリバーサーフィンにトライ!

世界中の変な波にフリーサーファーのディラン・グレイヴスがトライするVANSのYouTubeチャンネル「Weird Waves」のシーズン1・パート3が公開。

パート1のミネソタ・スペリオル湖、ジェリー・ロペスが登場したパート2のオレゴン・デシューツ川とアメリカ本土のスポットが続いたが、今回のパート3の舞台はイギリス南西部、ロンドンから車で約3時間離れたセヴァーン川。

全長354km、イギリスで最も長いこの川は潮の動きで一日に一回波が立つ。
これは「Tidal bore」といって、アジア、オーストラリア、ヨーロッパ、アメリカ、カナダ他、世界中で起こる現象。
一番有名なのはアマゾン川のポロロッカだろう。
セヴァーン川は蛇のように入り組んだ地形のために数カ所でこの現象が起きるそうだ。

via You Tube

イギリスはヨーロッパの中でもこの現象が起こる場所が多く、セヴァーン川でのリバーサーフィンの歴史は1955年まで遡る。

案内人は2006年3月にこのセヴァーン川で9.25マイル(約14.8km)の最長ライド、ギネス世界記録を達成したスティーブ・キング。
アメリカのホラー作家に似たこの名前からミステリアスな人物を想像してしまうが、普段は鉄道関係の仕事をするごく普通の’リバーサーファー’だ。

1981年からセヴァーン川でサーフィンをスタートしたスティーブ。
海でのサーフィンの経験は無く、このロングライド可能なここの波を心から愛している。

「Tidal bore」を利用したリバーサーフィンは的確な時間に的確な場所でその現象を待つことから始まる。
遠くに波の音が聞こえたら準備を始める。

ディランがスティーブから借りたロングボードで最初に乗った波はスモール&マッシー。
しかし、波が発生する場面はまるでSFのように不思議だし、ビーニーを被ったままのスティーブはその波で逆立ちを披露して驚かせる。

本来ならスティーブの友人のボートで次の波が起こるセクションに移動する予定だったが、エンジントラブルのためにこの日は見送りに…。
潮の動きに左右されるここの波はタイミングが命なのだ。

気を取り直して臨んだ2日目。

案内人はVANSのチームライダー、セブ・スマート。
味わいがあるバンで最初のセクションに向かったディランとセブ。
ローカルが「昨日よりパワーがあると思うよ」と言った通り、初日よりも1サイズ大きく、ディランは持参した5’2”のショートボードで見事なターンを披露。
最初のセクションを乗り終えた後は一度陸に上がってバンまで戻り、サーフボードを積んで急いで次のセクションに向かう。
その距離は約10マイル(約16km)もあり、渋滞する朝に波が起こる時間があたってしまうと間に合わない場合も…。
その場合は次の日に再トライするしかないのが、「Tidal bore」独特のリズムだろう。

ディランとセブはなんとか次のセクションに間に合い、上流から乗ってきたリーバーサーファーと一日の中の貴重な時間をシェアする。
セッションを終えた後は波をシェアしたリバーサーファーと楽しく朝食の時間。
同じ波に乗り、同じ「イングリッシュ・ブレックファスト」を味わえば自然と仲間意識も強くなる。

最終日はローカルが過去にバレルを見たセクションに挑む。
残念ながらサイズが小さく、ディランはバレルに入ることは出来なかったが、サイズが上がればそれも真実だろうと思わせる形の波。
最後は岩がある場所で派手なワイプアウトをして終了。
決して綺麗とは言えない川で揉まれ、ビーニーを失くす洗礼を受けた。

牛や馬がいる草原を横目に大勢で波に乗る。
潮の動きによって生まれる独特なこの波は海とは違うエネルギーと文化を感じる。

(黒本人志)

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