サーフィンのためのトレーニングといえば、サーフィンそのものに勝るものはない。だがさらに筋肉などのメカニズムのことも考えてトレーニングすれば、君のサーフィンはワンランクいやそれ以上にアップする。
wearesurfers.netというサイトに“How to get a surfer’s body”というタイトルのコラムを見つけたので読んでみた。そうしたら文頭に、このタイトルは興味を引くかもしれないけど、サーファーに限らずどのアスリートも、そのスポーツのトレーニングを繰り返した結果の身体だから「サーファーのような身体」を手に入れたかったらサーフィンしようという趣旨の内容が冒頭に書かれてあった。
たしかにそうだ。サーファーのような身体が欲しかったらジムに行ってダンベル持ち上げるよりサーフィンをすればいい。その結果、リアルなサーファー体型を手に入れられるし、サーフィンも上手になる、一石二鳥だ。じゃあサーフボードを持って海に行こう!
しかしちょっと待ってほしい。ここでテーマにしているa surfer’s bodyというのは外見の美しさではなく「サーフィンに対応できる強い身体を作る」という意味だと読み進めるうちに分かってきた。身体のメカニズムを理解しトレーニングに役立てれば、さらにサーフィンに磨きがかかるだろう。
1.強い筋肉
筋肉強化のトレーニングは最重要課題。まずはソリッドでパワフルな体幹を手に入れる必要がある。強い体幹に従って身体のさまざまな細部も強化され、身体の中心に軸が作られる。
強い筋肉を作るためのアイデア
・ヨガ&ピラティス
ヨガの独特なポーズを長時間続けることによって、日常使われない細部の筋肉が刺激され、筋肉がグループとして的確に機能しバランスなどのサーフィンに必要な資質を養う。ピラティスも同様の効果がある。
・筋肉強化には筋肉を1つのグループとして考える。
個々の筋肉を鍛えるのではなく、一つのグループまたは身体全体の筋肉を鍛えるという考え方でトレーニングを続けると、ある一定の時期を過ぎてから効果が急上昇する。それは筋肉のグループが周囲の筋肉にも刺激を与えて相乗効果をもたらすため。
2.スタミナをつける
強い筋肉を作っても短時間でへばってしまっては意味がない。スタミナとは持久力や回復力だと思えばいい。スタミナの強化はどれだけあっても強化しすぎということはない。
スタミナをつけるためのアイデア
・負荷トレーニング
スタミナの強化には日常の生活や運動に負荷を掛けて継続的に行うと有効。負荷トレーニングの前後にはストレッチを行って柔軟性を得ることも大切。(最新の科学ではスポーツ後のストレッチに大きな効果があるという説もある)
・スイミング
水泳から得られる効果は絶大。水中のトレーニングはサーフィンに親和性があり、コンデション作りにも役立つ。遠泳の有酸素運動はサーフィンのエンデュランス(スタミナ)を得る効果がある。短距離の水泳を繰り返したりプール内を歩くのも効果あり。
・ヨガ
ヨガの呼吸法はスタミナにも効果絶大。ゆっくりとコントロールされた呼吸は精神を安定させ、サーファーの活動を促進させる。
・SUP
SUPもトレーニングの道具として考えるとスタミナや体幹などの全身運動に役立つ。
3.柔軟な身体
すばらしいサーフィンは身体の稼働域の広さで決まる。体の柔軟性にはいつも注意を払おう。柔軟性の向上は怪我の予防にもつながる。
柔軟な身体を得るためのアイデア
・ヨガ
柔軟性を得る方法としてヨガ以上のものはまだ存在しない。ヨガはスタミナや筋力も鍛えられ、そのストレッチと呼吸法は筋肉へ有効に酸素を供給する。
・器械体操
ジムでの体操競技もヨガと同様に筋肉や関節の柔軟性を得る効果がある。いずれにせよ基礎トレーニングは、すぐに効果を期待せず時間をかけて取り組む必要がある。
4.背骨&関節の健康を保つ
ワイプアウトや長時間のパドルは頚椎などの関節に負担を掛ける。各関節へのいたわりはサーフィンを長く続ける意味において重要
背骨や間接の健康を保つためのアイデア
・インパクトの低い運動
怪我の治療よりも予防。膝、腰、肩の関節周辺の筋肉を常にメンテナンスしよう。数日ごとに軽いウェイトや抵抗の弱いラバーバンドで運動を行うと、筋肉に適度な刺激を与えて活性させることができる。スイミングプールでの運動も効果がある。
・カイロプラクティック
カイロによる背骨の矯正は多くの恩恵がある。定期的な背骨の矯正はバランスの良い身体の動きを促進させ、ベストなサーファー体型を作り上げる助けになる。
レジャーかスポーツかそれともカルトか?サーフィンに対する考え方はそれぞれだけど、上手くなるためにはサーフィンだけでなく身体の基礎を鍛えることが重要。つまり陸上トレーニングこそ最強の『コソ練』なのだ!
(李リョウ)