昨年8月、都会のど真ん中、品川・大井町にオープンした人工サーフィン施設citywave。オープンから間もなく1年経つところで、citywaveに足を運んだサーファーの感想がちらほらと聞こえてくる。
「海とは全く別物」「海での上手い順とcitywaveの上手い順は逆になった」という声もあれば、「通い続けたらサーフィンが上達した」という声も・・・。
≫一般サーファーの感想は?citywave利用者レビュー
「citywaveは本当にサーフィンに役に立つの?」
この素朴かつ重要な疑問を、citywaveシニアアドバイザーであり過去BURTONスノーボードの開発ライダーも務めたCAPこと石内圭一(@kei4cap)さんに投げかけてみた。2回にわたってお届けする。
THE SURF NEWS編集部(以下TSN):まず、簡単におさらいを…citywaveはリバーサーフィンを流れを汲む人工サーフィン施設。昨今世界中で開設が相次ぐ人工サーフィン施設とは趣が異なり、水の流れる力を使ってサーフィンをします。最初はこの水の流れがかなり癖モノのようですね。
石内圭一さん(以下 石内):通常のサーフィンですと、当たり前ですが波は常に沖から岸に動いています。しかしcitywaveの波は、常に同じ場所で下から跳ね上がってくるので、波自体は移動しません。最初はこれがなかなか厄介でして、頭で理解するにはちょっと時間が必要ですね。
TSN:世界中に展開する流水系の人工施設フローライダーとは違い、水深もあるのでフィン付きのいわゆる「通常のサーフボード」で体験することが可能。数々の動画やプロサーファーが手こずっている姿を見ると素人目で見てかなり難しいのでは?とかなり心配になります。
石内:まず圧倒的な水量にまず驚きます。そしてそれに伴った水圧が凄いです。最初はサーフボードの面で乗るイメージじゃないとうまく行きません。普段のようにレールを水面に喰わすと一気に洗濯機の餌食になります(笑)慣れるまでは後ろ荷重をイメージしたスープを突き進む感じだとうまくいきますよ。スノーボードをやった事がある方ならパウダーの中を後ろ荷重で滑る感覚に似ています。
TSN:「初心者の時に後戻り…。」このちょっとした精神的な屈辱感を克服すれば以外にも早く慣れるかもしれない。しかしスープ続きのライディングでは海のサーフィンに本当に役にたつのだろうか?上手い人のライディングを見てるとレールを使ったサーフィンに近い動きだし…。そこまで行くには一筋縄ではいかなそうです…
石内:citywaveをサーフィンの練習に仕立てるためには、やはり多少通って頂く事が必要ですね!(目がキラ…)この水量/水圧の多い中のレールワークは海でのサーフィンの際にとても効いてきます。例えばレールを水面に食い込ませる際にどこまで荷重を行うと効果的に板が動くか?または板が加速するポイントは?など海面と会話が出来るようになりますよ。
TSN:海面と会話!具体的にどんなことができるようになるのでしょうか。
石内:つまり海面に対するレールの出し入れがうまくなるんですよね。結局ターンも加速も全てレールを使う事が最重要なわけで、それを微調整しながら体感していくのは良い練習になります。また当たり前ですが、一番上達への近道は何と言っても反復練習です。海において反復練習ってビーチブレイク主体の日本にいたらやはり結構難しいです。我々のような普通のサーファー にとってこの反復練習が可能なcitywaveはサーフィン上達の近道ですよね。
TSN:これは納得。やはり同じ波は絶対にない海の世界では、反復練習は難しいです。レールワークの微妙な変化を繰り返し練習出来るのは、人工サーフィン施設の最大の特徴ですね。最後に一言どうぞ!
石内:citywaveでは手ぶらで気軽にサーフィン体験が可能です。価格の中には全ての道具に時間内のコーチング、貸しタオルまで込み込みなので水着のみ持参という手軽さなので、これを機会にぜひ海サーファーも体験ください。
さて2回目となる次回は海サーファーにとって、具体的な練習方法や成果など突っ込んだ話を伺う予定です。乞うご期待!
(THE SURF NEWS編集部)
★2019/7/15-16 citywave Tokyoではプロワールドツアー『Jeep® presents citywave pro WORLD TOUR in Tokyo 』を開催。THE SURF NEWSでは以下特設ページよりライブ中継を配信予定です。
“citywave pro WORLD TOUR in Tokyo”
特設サイト