チャリティーアイテムのデザイン。 着ているだけで海ごみ問題をさりげなく伝えることができ、 しかも、Tシャツ1枚につき700円がJEANへのチャリティに!

「海のごみ問題」に取り組む環境団体JEANのチャリティーTシャツ期間限定発売

ビーチクリーンだけではなく、日本・世界中の海岸のごみデータをもとに、国や企業に提言をしたり国際会議を開いている環境団体『JEAN』。

この度、チャリティー専門のファッションブランドの「JAMMIN」とのコラボTシャツが誕生。 Tシャツ1枚につき700円がJEANへのチャリティになり、収益金は海ごみの問題を啓発するための出前講座の開催資金として使われる。

7月22日(月)から28日(日)までの1週間限定販売。

海の生き物だけでなく、人間にも影響を及ぼす可能性が。拾うだけでは解決しない「海のごみ問題」

先月(2019年6月)に開催されたG20大阪サミットでも、主要テーマの一つとして大きく取り上げられたプラスチックごみ問題。
海に浮かぶプラスチックごみだけでなく、最近では「マイクロプラスチック」と呼ばれる小さなプラスチック片のごみが環境に及ぼす影響について、皆さんも耳にしたことがあるのではないかと思う。

プラスチックは人工的に造られたものであり、ごみとして出たら最後、自然に還ることはない。このままプラスチックごみの流出が続けば、2050年までに、海の中のプラスチックの量が海の中の魚の量を超えるという予測も出ている(New Plastics Economy 2016Report/Ellen MacArthur Foundation)。

1990年の活動開始から一貫して海のごみ問題に取り組む一般社団法人『JEAN』

調査のためにクリーンアップを行っている様子。
海岸に漂着しているものの中から、人工物のごみをすべて拾う

今週、JAMMINが一週間限定でコラボするのは一般社団法人「JEAN」。海のゴミ問題を解決するために1990年から活動している。活動の柱となっているのは、世界107の国と地域(※2017年実績)で同時期に行われる「国際海岸クリーンアップ」。ごみを拾うだけでなく、 日本全国の海岸や、世界各地から寄せられたごみのデータをもとに、国や企業に改善のための働きかけを行ったり、対策推進のための国際会議を開いたりするほか、海のごみの現実を知ってもらうための普及啓発活動にも力を入れていまる。

活動の中心となっているのが、毎年春と秋の2回、全国各地の海岸で実施される「クリーンアップ(清掃)キャンペーン」。特に秋に開催している「国際海岸クリーンアップ(International Coastal Cleanup、以下「ICC」)」は、世界各地の海岸で同時期に清掃活動を行い、収集したごみの内容を調査して海ごみ問題の根本的な解決方法や改善策を探ると同時に、どんなごみが海にあり、どのような問題があるのかを知ることで、参加者一人ひとりが海ごみ問題をついて考える啓発にもつながっている。

ICCは、アメリカの環境NGO「オーシャン・コンサーバンシー」が1986年にスタートさせた「調べるごみ拾い」。その後世界で広がり、日本は世界で4番目に参加していて、今では世界107の国と地域で行われている。この団体はもともと海洋環境全体の保護に取り組む団体だったが、乱獲や公害による海への影響を調べたりしているうちにごみによる影響を見過ごせなくなり「ごみを調査しよう」ということでICCをスタートさせたそうだ。

私たちの暮らしが便利になる一方で、ごみの量は増え、その材質も変っていった。中でもプラスチックごみは自然に還らないので、拾わない限りは海を漂流し、ごみとして存在し続る。拾うだけでなく、これ以上増えないようにするためのアクションをとっていかなければ、問題は解決しないのだ。

長崎県の離島の海岸。「リアス式の入り組んだ海岸線の景観はとても美しいのに、
潮流が繰り返しごみを運んでくる。拾っても拾ってもすぐに次のごみが流れつく

海のごみの99%が行方不明。
ただ拾うだけでは解決しない、海のごみ問題

プラスチックの輪っかが口にはまった状態で死んで見つかったハワイアンモンクシール

実は、海のごみの99%は行方不明と言われている。つまり私たちが目にする海に浮いたり海岸に漂着しているごみは、全体のたった1%にしか過ぎない。じゃあ残りのごみはどこへ行ってしまったのか?様々な研究が進んでるが、海の底にも大量のごみが沈んでいるといわれている。
また、海の生き物がごみを誤食したりごみに絡まってしまったりして命を脅かされているということなど、海ごみが生態系にも大きな影響を及ぼしかねないというところまでを理解しないと「ただ拾えばいい」という意識から抜け出すことはできない。

プラスチックは、太陽の紫外線や気温の変化、波浪の衝撃などの影響を受けて劣化し、小さな破片になる。これらが「マイクロプラスチック」と呼ばれる5mm以下のプラスチックだ。 元は大きな一つのごみが無数の小さな破片になると、回収することも難しくなる。プラスチックは目に見えないほど小さくなっても分解しないため、回収しない限りずっと海に残り続ける。そして小さくなればなるほど、海の生き物がエサと間違えて誤飲する可能性が高くなると言われている。

プラスチック自体に毒性はない。しかし石油製品なので、他の化学物質を吸着しやすいという特性を持っている。海に浮遊している他の有害な化学物質、たとえばPCB(ポリ塩化ビフェニル)やDDT(有機塩素化合物)などを吸着してしまうのだ。製品を作るときに練り込まれる難燃剤や安定剤などの添加剤の中にも有害な化学物質がある。この毒性のあるマイクロプラスチックが体内に蓄積された時、人間を含む生態系に大きな影響が出ることが懸念されている。
現在は各地で研究や検証が進められている段階だが、影響があるということが判明した時には、もう手遅れの状態になってしまう。

近年、マイクロプラスチックの問題が大きく取り上げられるようになってからは「脱プラスチック・減プラスチック」といった声も聞かれるようになった。 まずは、プラスチックの使い捨てを減らす(できればやめる)所からはじめて、ごみになるプラスチックを減らしていくことが第一歩だ。

Tシャツ1枚につき700円がJEANへのチャリティに

今回のチャリティーアイテムは、魚や海藻、ヤドカリなど生き物とごみとが混在した海の中の世界を描くことで、現実がアイロニカルに表現されたデザインになっており、 “The future is in your hands”、「未来はあなたの手の中」というメッセージを添えられている。

海が抱える現実としっかり向き合い、私たちに何ができるか考えていこうというポジティブなメッセージが込められている。

このチャリティーの収益金は、海ごみの問題や実際にごみを集めて調べる意義などをよりたくさんの方に知ってもらい、問題意識を持って海のごみ問題に取り組む人を増やすため、出前講座を開催する資金として使われる。

JAMMINオンラインストア:https://jammin.co.jp/shop/
JEAN Facebook:https://www.facebook.com/JEAN.cleanup

(THE SURF NEWS編集部)

この記事に 関連するタグ

※当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等を禁じます。