今年になり、世界各地で建設ラッシュを迎えているサーフィン用の人工波施設。それと並行して、ウェイブプールをプロ選手のトレーニングに活用する動きも活発になってきている。
先日は、ケリー・スレーターのウェイブプール「サーフ・ランチ」で、オーストラリアのナショナルチームが強化合宿を実施。ジュリアン・ウィルソンやステファニー・ギルモアなどのトップCT選手も参加した。
先月末、アメリカのナショナルチームを統括するUSA Surfingは、アメリカのテキサス州Wacoにある「BSRサーフリゾート」を正式なトレーニング用ウェーブプールに採用したと発表。2018年ワールドジュニアチャンピオンシップと2020年東京五輪の出場選手のトレーニングに使用するという。
THE SURF NEWSにて、同CEOのグレッグ・クルーズ氏に問合せたところ、以下の回答が得られた。
USA SurfingとBSRサーフリゾートのパートナーシップ契約はいつまでですか?
パートナーシップは2020年12月まで続きます。
サーフランチやWavegardenなど他のウェーブプールもある中で、「BSRサーフリゾート」を選んだ決定的要因は何ですか?
「BSRサーフリゾート」を選んだ理由は、そのテクノロジーです。1分間に3本の波を発生させることができ、また、ボタンを押すだけで(レギュラー/グーフィー/エアーセクションなど)波のバリエーションを無限に作り出せます。
他のウェーブプールは本質的には引き波を利用するウェイクサーフィンと言えますが、BSRの波はより海のコンディションに近い。自分が乗り遅れたら波は通り過ぎてしまう、という状態を作り出せます。
また、BSRの波は(他のウェーブプールより)オリンピックの会場となっている日本の釣ヶ崎海岸の波に近いです。
また、1時間に何十本も乗るチャンスがあるため、選手自身が倒れない限り何度も何度も繰り返しマニューバーを練習することができます。乗れる本数が限られてしまう海でのトレーニングのように、ワイプアウトを恐れて思い切って練習できないということはなく、1時間に1-2本しか乗れなかった・・・なんてこともありません。
オリンピックと同じく国別のチーム対抗戦が行われる試合で、会場が明らかになっているものは、2018年ISA世界サーフィン選手権(伊良湖)、2018年ISA世界ジュニアサーフィン選手権(ハンティントンビーチ)。また、2020年東京五輪自体も釣ヶ崎海岸(志田下)となっており、いずれもビーチブレイクだ。
ポイントブレイクに近いサーフ・ランチより、ビーチブレイクに近いBSRを選んだのは順当な選択と言える。
五輪出場にも意欲を見せているケリー・スレーターが米国代表に選出されたあかつきには、BSRのプールでサーフィンすることになるのだろうか?(ケリー・スレーターはサーフ・ランチのオーナー)
また、日本やその他の国のナショナルチームも、トレーニング場所としてウェーブプールを活用をするようになるのか?
話題の尽きないウェーブプールについて、今後の動向にも注目していきたい。
(THE SURF NEWS編集部)
情報元:
USA Surfing公式サイト
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