沢山のファンに囲まれたフィリッペ PHOTO: © WSL/Poullenot

フィリッペが2連覇、五十嵐カノアは5位!【CT第5戦 オイ リオ プロ】

現地時間6月23日、情熱の国ブラジル・リオデジャネイロのサクアレマで開催されていたCT第5戦『オイ リオ プロ』が終了。

今年は前半にメイン会場のレフト中心の「Itauna」、後半にバックアップ会場のフォローなライトのポイントブレイク「Barrinha」を利用してワンスウェル4日間の最短で進行。
ビーチには連日溢れんばかりの熱狂的なサーフィンファンが押し寄せ、サッカーの次に人気があるサーフィンに対するこの国の情熱を改めて感じさせていた。

メンズで3分の1を占めた自国ブラジルの選手の中でも昨年2度目のワールドタイトルを獲得したガブリエル・メディナとフィリッペ・トレドの人気は凄まじく、毎ラウンドでフィリッペが最初のヒート、最後のヒートにガブリエルが登場する組み合わせだったため、夕方まで観客の数が減ることはなく、彼らも全てのファンに真摯に対応していたのが印象的だった。

意外にもブラジルでの優勝経験がないガブリエルは今年もQFでコロへ・アンディーノに敗退。
一方、2015年、2018年と2度の優勝経験があるフィリッペはQFで五十嵐カノア、SFでフレデリコ・モライスをペースアップしながら倒し、ファイナル進出。
ジョーディ・スミスとのファイナルは序盤にバレルをメイク後、ストレートエアー、フィニッシュまで決めてイベント2つ目の9ポイント。すぐに8ポイントのバックアップを重ねてトータル18.04のハイエストヒートスコア。
ファイナルがピークとなり、2年連続圧倒的な勝ち方で通算3度目のブラジルのタイトルを獲得。
誰もが納得の完全制覇を成し遂げた。

「特にこのブラジルではQFとSFに頭のスイッチが入る。力を与えてくれた観客のためにもベストを尽くしたよ。しかし、簡単ではなかった。これは試合だし、18ポイントを持っていても、ジョーディなら返せる実力があるからね。ラスト30秒までナーバスだったさ。でも、最初の波は興奮したし、自信があったよ」
フィリッペ・トレド

詳細は明かされていないが、最近フィリッペは私生活で問題を抱えているとのこと。
常に一緒にいた父の姿が見えないことを考えると家族のことなのかもしれない…。

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ブラジル戦のトロフィーは波をモチーフとしたデザイン
PHOTO: © WSL/Poullenot

「良いサポートクルーと心理的な準備がないと難しい。準備が出来てないとプレッシャーに負けてしまうのさ。ブラジルのファンの情熱とエネルギーを楽しみ、それを自分のエネルギーや集中力、モチベーションに変えたんだ。一週間、精神的にも肉体的にもとても疲れた。でも、毎回海に向かう時に観客からエネルギーを与えられ、力がみなぎったよ。今年は私生活で問題を抱えて集中出来なかったけど、今回は観客が引っ張ってくれたのさ。凄い感謝している。次はJ-Bay、もう頭は大好きなあの場所に移っているよ」
フィリッペ・トレド

今回の優勝でフィリッペは3位に浮上。
カレントリーダーはジョン・ジョン・フローレンスが保守しているが、前日のR4(Round of 16)で昨年負傷した右膝を再び痛めてしまいQFを棄権している。
次のJ-Bayまで約2週間。回復を祈ろう。

なお、バリ島で日本人としてCT初優勝を成し遂げた五十嵐カノアはQFまで残り、5位でフィニッシュ。
ランキングは一つ落として5位とまだトップ5を維持している。

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最後はQFでフィリッペに敗れた五十嵐カノア
PHOTO: © WSL/Poullenot

ウィメンズはサリー・フィッツギボンズが優勝

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サリー・フィッツギボンズ
PHOTO: © WSL/Poullenot

前半の「Itauna」、後半の「Barrinha」共にウィメンズにはやや難しいコンディションだっただけに一波乱あり、カレントリーダーのステファニー・ギルモアがSF、ランキング2位のキャロライン・マークスがR3(Round of 16)で敗退。
共にランキングを落としている。
一方、ブラジルで2度の優勝経験があるオージーのサリー・フィッツギボンズがバレルメイクでスコアを伸ばしてハワイアンのカリッサ・ムーアを倒し、今シーズン初優勝。
開幕戦で3位、バリ島で2位、マーガレットリバーで3位と着実にポイントを貯めていたサリーが今回の優勝で一気にリーダーボードの頂点に立っている。

「間違いなく、最も生きているって実感する喜びの一つね。大勢の観客の声援を浴びながらビーチを走り、パドルアウトするプロセスも全て含めて感情的になったわ。カリッサのような素晴らしい親友とファイナルを戦うのは、何年経っても色褪せない特別な気持ちになる。今日は信じられないほど全てが思い通りに進んだわ。最後のセットが入った時は特別な何かが必要だと思い、パドルした時にはチャンスだと分かったからベストを尽くした。欲しかった結果も出て全てが良い方向に向かったわ」
サリー・フィッツギボンズ

ローカルワイルドカードのタイナ・ヒンケルがR3(Round of 16)、QFでシルヴァナ・リマ、タティアナ・ウェストン・ウェブが敗れてブラジリアンがファイナルに残ることはなかったが、観客は大きなコールでサリーを温かく迎えてくれた。ビーチに戻った後、真っ先に親友のコートニー・コンローグとハグを交わし、ウェイド・カーマイケルの二人に担がれてビーチ凱旋を楽しんだ。

ウィメンズはメンズよりも1戦少ない全10戦で争われるため、このブラジルが丁度折り返し地点。
残り5戦、まだ上位陣のポイント差は少なく、タイトルレースは例年以上に盛り上がりそうだ。

 

 

 

 

 
 

 

 
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Back to back! Congratulations @filipetoledo, winner of the 2019 #OiRioPro!! 🏆 @oi_oficial

 

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CT第5戦ブラジル『オイ リオ プロ』結果

メンズ
1位 フィリッペ・トレド(BRA)
2位 ジョーディ・スミス(ZAF)
3位 フレデリコ・モライス(PRT)、コロへ・アンディーノ(USA)
5位 五十嵐カノア(JPN)、ジュリアン・ウィルソン(AUS)、ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)、ガブリエル・メディナ(BRA)

ウィメンズ
1位 サリー・フィッツギボンズ(AUS)
2位 カリッサ・ムーア(HAW)
3位 キーリー・アンドリュー(AUS)、ステファニー・ギルモア(AUS)
5位 レイキー・ピーターソン(USA)、シルヴァナ・リマ(BRA)、タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)、コートニー・コンローグ(USA)

2019 Men’s Championship Tour 『オイ リオ プロ』終了後のランキング
1位 ジョン・ジョン・フローレンス(HAW) 32,160pt
2位 コロへ・アンディーノ(USA) 27,760pt
3位 フィリッペ・トレド 27,195pt
4位 ジョーディ・スミス(ZAF) 26,045pt
5位 五十嵐カノア(JPN) 24,705pt

2019 Women’s Championship Tour 『オイ リオ プロ』終了後のランキング
1位 サリー・フィッツギボンズ(AUS) 32,850pt
2位 カリッサ・ムーア(HAW) 31,175pt
3位 ステファニー・ギルモア(AUS) 30,320pt
4位 コートニー・コンローグ(USA) 26,845pt
5位 レイキー・ピーターソン(USA) 26,050pt

WSL公式サイト:http://www.worldsurfleague.com/

(空海)

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