数年前には邦人がシャークアタックの被害に遭って命を落とすなどオーストラリアでの鮫による被害は世界の中でも多く、州が鮫の駆除に乗り出すなど深刻な問題になっている。
そのオーストラリアで開催されていたCT第3戦『Margaret River Pro』で2件のシャークアタックが発生
被害の大きさや、近くに座礁したクジラの存在からサメが攻撃的になっている可能性が高いとの専門家の意見、選手サイドの意見などを考慮した上、現地時間4月18日にWSLは最終的に今回のイベントのキャンセルを発表した。
サーフィンは様々なリスクを伴うスポーツであり、野生動物がその環境に生息するという独特の点がある。
特にサメに関してはWSLの競技やサーフィンの最中に偶発的にやってくる現実をこのスポーツに関係する全ての人が知っています。
過去にアクシデントが発生しており、将来的にも発生する可能性がある。
それは必ずしもイベントのキャンセルに結び付かないが、今回の状況は非常に珍しく厄介です。
それが今シーズンの『Margaret River Pro』のリスクの許容範囲を越えていると判断しました。
WSLのCEO ソフィー・ゴールドシュミット
私達は事態の重要性を見極めるため、選手、ウォーターパトロール、地方自治体などと話し合い、出来るだけ多くの情報を集めて検討した。
マーガレットリバーは世界的にも素晴らしい場所ですが、今シーズンはサメやクジラの活動が積極的で頻繁に出現していることから、今回の決断が正しい行動だと思っている。
WSLのコミッショナー キーレン・ペロー
だから、難しい決断よ。とても美しい場所で、波も最高。
そして、ここのコミュニティはプロサーフィンを非常に支持している。
しかし、今シーズンの状況は本当に怪しく、多くのサーファーは安全とは言えないと意見しているの。
これが簡単な決断ではないと分かっているけど、多くの情報、議論に感謝している。
ウィメンズの選手代表 セージ・エリクソン
オーストラリア南西部は美しい自然が残された大好きな場所。
ローカルのコミュニティの思いもあり、またすぐにこの場所に戻ってくることを楽しみにしているよ。
メンズの選手代表 エイドリアン・バッカン
思わぬ結末になってしまった今年のマーガレットリバー戦だが、2015年の『J-Bay Open』でのシャークアタックの発生から特にWSLや選手はこの問題に慎重になっている。
そして、残りのウェイティングピリオドの波の予想が当初よりも悪くなってしまったことが早急にキャンセルという判断に繋がったとも言える。
まだ未確定ながら、残りのヒート(メンズはR3〜、ウィメンズはQF〜)を他の場所で行う協議もするそうだ。
その場合、ワイルドカードで残っているケール・ウォルシュにローカルの優位性が無くなるという意見もあるが…。
(ジャック・ロビンソン、マイキー・ライトは他の場所でも問題はないだろう)
なお、他の場所で残りのヒートが行われない場合、WSLのルールブックによると、
メンズのR3に残った24名は全て13位となり、そのポイントと優勝から13位の賞金が均等に贈られる。
R2で敗退した選手は25位となり、そのポイントと賞金が贈られる。
ウィメンズのQFに残った8名は全て5位となり、そのポイントと優勝から5位の賞金が均等に贈られる。
その前のラウンドで敗退した選手には該当するポイントと賞金が贈られる。
次のCT第4戦はブラジル・リオデジャネイロを舞台とした『Oi Rio Pro』で、5月11日〜20日に開催。
そして、5月5日〜6日はサーフランチで『Founders’Cup of Surfing』が開催。
WSL初となるリージョナル対抗のチーム戦で、CTを引退したミック・ファニングを始め、ケリー・スレーター(怪我の具合が心配だが)、五十嵐カノアなどが参加する。
(空海)
Cover Photo: WSL/ KELLY CESTARI