1999年、18歳のジュニア時代にワイルドカードで「J-bay」のイベントに出場して優勝。
華々しく世界デビューを果たしたパーコことジョエル・パーキンソン。
2002年からツアーを回り、2012年には念願のワールドタイトルを獲得。
トリプルクラウンでは2008年から3年連続でタイトルを獲得している。
今シーズン限りで18年間のキャリアから引退するパーコは今年のトリプルクラウンの初戦『Hawaiian Pro』で優勝。
第2戦の『Vans World Cup』を終了した時点でランキング2位と4度目のタイトルを十分に狙える位置にいる。
本人や関係者はもちろん、多くのWSLファンが彼に引退の花道を飾って欲しいと願っているだろう。
すでに始まった最終戦『Billabong Pipe Masters』のウェイティングピリオドの最中、パーコにハレイワでの優勝、トリプルクラウンのことについて尋ねた。
どんな気持ちでハレイワに向かったの?
正直、最初は行く気がなかったんだ。
身体もサーフィンも調子は良かったけど、気が乗らなかったのさ。
ようやく、2日前にトリプルクラウンとパイプについて考えたんだよ。
ハワイに向かうフライトの前夜、まだ梱包さえも初めていない時に妻がこう言ったんだ。
「あなたがイベントのために梱包をするのはこれが最後なのよ。だから、とにかくやってきなさいよ。サーフィンするだけじゃない。もう、二度とこんなことはないのよ。やってきなさい」
もう、出発する時にはやる気になっていたね。
ノースショアに着くと波があったし、興奮しながらサーフィンしたよ。
最初のヒートに関しては、まるで無人島にいるような気分だった。
それはサーフィンの技術ではなく、気持ち的にね。でも、その後はコンテストジャージを着て楽しめるようになった。
これが最後だって自分自身で考え、コンテストに入り込めるようになったんだ。この状況をただ楽しもうってね。
結果に関わらず、やってみようと思ったんだ。
ヒート毎に熱心にサーフィンして自分のサーフィンが戻ってきたと思うし、波に乗る度にいい感じになってきたよ。
つまり、リズムに乗り始めてきたのさ。
ファイナルに進出した時はこのままクルーズするのでは無く、もう一段階ギアを上げる必要があると思った。
あと1ヒート勝つために燃えたね。
もう一度優勝する意志は本当に強かったよ。
イベントが終わった時、安堵感はあった?
目標はトリプルクラウン獲得。
それで引退できれば最高だけど、自分が凄い変わる訳ではないし、それほど気にはしていないよ。
確かに最後にはふさわしい。でも、もし獲得出来なくても眠れなくなることはないね。
今年のハワイシーズンは結果に関わらず、長年の’ウィニングラン’だと感じている。
ハワイには長い間通っていたよね。ウィニングランもそうだけど、ここには家に戻ってくる感じ?
そうだね。
ハワイは本当に快適だし、全てを愛している。
地球上で今の家の他に住みたい唯一の場所さ。
間違いなく、カリフォルニアには住めない。フランスのホセゴーは少し可能性があるかな。
自分がそこに住めるかどうかの判断をして、このハワイだけが住める場所だね。
ハワイには沢山の素晴らしい瞬間や思い出があるでしょう。アンディ・アイアンズとの友情、ワールドタイトル、トリプルクラウンのタイトル。懐かしく思うことはある?
少しね。
いくつかのイベント、いくつかの波、初期から現在までの世代交代など。
最初にハワイに来た時はロブ・マチャドとケリー・スレーターがパイプラインでハイタッチをした年だった。
14歳の時、あれを見て目覚めたのさ。
14歳の少年は今のあなたの立場を夢見ていたのかな?
それは全くない。
立ち止まって初めて最初を振り返るようになったんだ。
もし、プロサーファーや、サーフィンで生計を立てるという夢を持っている16歳のキッズだったら、ドキドキしながら全面的に同意してこのキャリアを辿れるサインをしていただろう。
あらゆる手を尽くした方が良いと言いたいけどね。
悲しみや敗退、嬉しい勝利。
そして、ここまで多くの人生の教訓を得たよ。
パイプラインでの最後のヒートについて考えたことはある?
胸の奥に秘めている。
ビーチでは感情的になるだろうね。
ワイルドカードで出場するつもりは全くないし、再び勝つことを目標にサーフィンすることはない。
残りの人生は完璧に楽しむだけのサーフィンをするんだ。
それは約束するよ。
パーコの引退試合となるトリプルクラウン並びにCT最終戦『Billabong Pipe Masters』
すでにウェイティングピリオドは始まっており、会場のパイプラインのコンディションが整うのを待つばかりだ。
参考記事
Parko on the Vans Triple Crown
(空海)