最近ではサーフィンがオリンピック競技となったことからスポーツとしての側面が取り沙汰されていますが、ライフスタイルとしても根強い人気があるサーフィン。
平日はコンクリートジャングルで仕事に忙殺され、週末のレクレーションとしてサーフィンを楽しむ方も多いですからね。
趣味としてサーフィンにハマって楽しむ方の大半は、日常では味わえない爽快感や解放感など、いわゆるアドレナリンが放出される点に魅力が隠されているのかもしれません。
そこで近年では、自閉症や精神疾患などに苦しむ人のセラピーの一環としてサーフィンが取り入れられるケースが増えていて、アメリカ海軍では「サーフィンのセラピー効果」測定のために100万ドル投入のプロジェクトがスタート。
アメリカでは軍人がPTSD(Post Traumatic Stress Disorder :心的外傷後ストレス障害)などといった精神疾患を患うケースが増加しているためです。
2001~2011年に現役軍人で精神疾患と診断された患者数は、リサーチによると650パーセント増加との数字があります。そこでスタートとなったサーフィンセラピーの効果測定プロジェクト。
これまでにもサーフィンのセラピー効果は数々の専門家から認められていて、サンディエゴ海軍医療センターのヘレン・メツガー氏は以下のコメントを寄せています。
サーフィンはレクレーションという名のもとのセラピーになることが大半。体験者はサーフィンの話から始まり、次第に共通の体験やトラウマなど深い会話を交わすようになるから。
さて、今回のプロジェクトはすでに進行中で、現時点においてはテストの第一段階が終了したとのこと。
内容は、6週間という期間において参加者は最低週一回はサーフィンをし、サーフィン前後の精神状態を測定しています。
現時点で発表されている結果によると、精神疾患に与えるサーフィンの影響ははっきりしているとの事で、今後のさらなる結果が待ち遠しい状況だそうです。
サーファーならば、海に入れば必ずといっていいほど自然と笑みがこぼれる瞬間を誰もが経験していると思います。
その理由としては、海に入る「非日常」といったシチュエーションだけでなく、自然環境の中で少しでも上手くなりたいといった思いや、ライディング中に「興奮(ストーク)」を覚えたりと様々な要素が入り乱れます。
そんなサーフィンがセラピーとしても科学的に認められるとなれば、サーファーとしては嬉しいことなので、結果を楽しみにしたいところではないでしょうか。
参照記事:「Riding the waves to better health: Navy studies the therapeutic value of surfing」
COVER PHOTO: NAVY MEDICINE LIVE