サーフィンと音楽は昔から切っても切れない関係。
良いサーファーは良い音楽を聞いているものだ。
(例外もあるが…)
当然、自らギターを弾いたり、歌ったりするサーファーも多く、プロサーファーの中ではトム・カレンが先駆け的存在。
彼のミステリアスな雰囲気とサーファーとしてのカリスマ性もあり、日本でもファンが多く、昨年の夏にはミュージシャンとしての日本ツアーが行われた。
カレンと同じアメリカ人のサーフィンスター、ケリー・スレーター、ロブ・マチャドも音楽を愛してカリスマ性があり、過去にはピーター・キングと3人で「THE SURFERS」というバンドを結成して話題になったことがあるし、今でもチャンスがあればステージに上がっている。
最近のCT選手ではカレンの同郷、コナー・コフィンがカバーアルバムを発売。
ボブ・ディランの名作「Knockin On Heaven’s Door」などを選ぶ渋いセンス、一緒にツアーを旅しているギターを奏でながら甘い声で歌い上げている。
女性陣も負けていなく、ステファニー・ギルモアはライブも併催されるコンテストでギターを持ってステージに上がるほどの腕前だし、そのステファニーのギターでバックに歌を披露したカリッサ・ムーアの声に虜になった人も多いだろう。
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カリフォルニアのニュージェネレーションでは、カレン、ケリーなどとは違うカテゴリーでカリスマ性があるアレックス・ノストが「Japanese Motors」というガレージパンクのバンドや、マット・アーチボルトの息子、フォードと他のバンド「Tomorrows Tulips」を組むなど彼のサーフィンスタイル同様に自由に楽しんでいる。
プロサーファーの域を越えてミュージシャンとしての方が有名になっている代表格はドノバン・フランケンレイターだろう。
かつてはケリーやロブと共にモーメンタム世代と言われてサーフムービーに出演していた彼がジャック・ジョンソン(彼もまた一時はプロだったサーファーだ)のレコード会社、ブラッシュファイアー・レコーズから2004年にデビューを果たし、すぐに「Free」が大ヒット。
ジャック・ジョンソン、G.Loveなどと共にサーフ・ミュージックというジャンルがメディアで大きく取り上げられたことも追い風となり、文字通りのロックスターになった。
ジャック・ジョンソンを代表にハワイにはサーフィンと音楽の両方の才能を持つサーファーが多い。
2014/2015のBWT(ビッグウェーブツアー)のタイトルを獲得した世界を代表するビッグウェーバーのマクアカイ・ロスマンはハワイアンレゲエのミュージシャンとしてデビュー。
あの巨大な波に乗る勇敢な姿からは想像も出来ないような優しい歌声を披露。
また、リアム・マクナラマの息子、ランドン・マクナマラもハワイアンレゲエのジャンルで2016年に『A Dollar Short & A Minute Late』をリリース。
iTunesレゲエチャート、Billboardレゲエチャート共に1位を獲得したこともある。
日本ではプロサーファーとミュージシャンの両方で成功しているサーファーはいないが、Def TechのMicroが大野修聖と昔から親交が深いサーファーなのは有名な話だし、b’zの稲葉浩志、ウルフルズのトータス松本、小金沢昇司がサーファーなのも良く知られている。
最近では大野修聖がシンガーソングライターのLisa Halimのカバーアルバム「by the Sea」にゲストとして参加。
エリック・クラプトンの「Wonderful Tonight」をカバーしてセクシーな声を披露。
同アルバムにはMicroも参加して竹内まりやの「元気を出して」を彼ならではの解釈で唄っている。
サーフィンと音楽の共通点は表現力と即興性。
そして、何より気持ち良いことだろう。
音楽をやっている時の彼らの表情はサーフィンをしている時よりも気持ちが良さそうだ。
(黒本人志)