千葉県木更津市で建設計画があがっていたKelly Slater Wave Co Japanによる人工サーフィン施設『WSLハイパフォーマンスセンター(通称サーフランチ東京)』。
2018年10月に木更津市から開発許可がおり、今年1月には木更津市の渡辺芳邦市長が成人式挨拶で「海外企業によるサーフィン競技用人工波施設の進出も決まり、国内外からも広く注目されております。」とコメントしていた。
しかしながら、その後もなかなか工事が始まらない状態が続いており、遂に建設中止の可能性が高くなってきた模様だ。
現時点でTHE SURF NEWSが把握している、木更津と世界のサーフランチ関連の情報をまとめた。
これまでの経緯
2018年3月までに用地買収。用地買収が完了した時点で、一時は建設確実(日本にケリーのウェーブプール誕生が現実のものになる!)と思われたが、その後も工事が始まらない状態が続いていた。
≫なかなか開発許可がおりない「サーフランチ東京」建設計画の概要[2018/08/05]
木更津市の担当課では「急ぎ案件」として扱われながらも、排水の問題などを含め許認可のための事前確認作業がなかなか進まず、ようやく2018年10月に開発許可。
≫遂に開発許可。千葉・木更津のウェーブプール[2018/10/18]
その後も、地元農家等と地下水をめぐって補償問題が議論されていたが、昨年11月に予定されていた住民説明会は延期とされたまま未開催。一向に工事が始まらなかった。
≫開発許可から5ヶ月間、工事未着手。建設中断の可能性もあるのか。[2019/03/14]
この状況から、一時は土地売却の噂がでたり、2022年にアジアオリンピックが開催される中国への計画変更などが噂されていた。
現地の様子と地元住民の声
6月中旬の某日、THE SURF NEWSでは木更津市役所に、建設事業者が工事を始めた際に提出する「着手届」が今もなお出ていないことを確認。市担当者は、工事が進んでいない原因については把握していないという。
さらに、建設予定地のすぐ近くに住む地元住民への取材でも、工事が始まっていないことを確認しており、地元不動産関係者も建設中止の可能性が高いと見ている。
現時点では、先述の地下水問題とは別に、本国アメリカ側で他の原因があると見られている。
東京でもパリでも五輪会場不採用。 逆風続きのサーフランチ?
そもそも、WSLはなぜプロ専用の巨大施設を日本に作ろうとしたのだろうか。