かねてからTHE SURF NEWSで報道している、ケリー・スレーター・ウェイブ・カンパニーのウェイブプール『サーフランチ』とオリンピック会場問題。先月、ケリー・スレーター・ウェイブ・カンパニーの親会社であるWSLのCEOソフィー・ゴールドシュミット氏は、米Sport Business Daily紙のインタビューで「2020東京五輪のウェイブプール開催を視野に入れている」ことを明言した。
この度、当THE SURF NEWSとも協力関係にあるF+(エフプラス)のつのだゆき編集長がソフィーに単独取材を実施。3月18日の取材時点で、日本でのウェイブプール建設は、着工に向けての最終段階に入っていることが分かった。
今回はそのインタビュー内容を紹介。
ケリースレーターのウェイブプールについて、日本で建設予定があると聞きました。日本におけるサーフィン事情について、どのように捉えていますか。
WSLにとって日本は重要なマーケットだし、2020年の東京オリンピックでサーフィン競技が初めてオリンピック種目になるということもエキサイティングなこと。オリンピックで使うか使わないかは別として、施設(サーフランチ)を建設するのを急いでいるところなのよ。それによってこの先も日本とWSLが長期にわたって密な関係を持ち続けていけるしね。
現状、日本での建設はどの程度進んでいるのでしょうか。
まだまだ着工までにはやらなければならないことがいろいろあって、申請や許認可、地主との最終交渉など、乗り越えなければならない問題が多くあるのは事実。でもとにかくオリンピックに間に合うように、現在着工に向けて最大限急いでいるところなのよ。
建設地は決定しているのでしょうか。
場所はまだ最終決定はしていないのよ。さっきも言ったようにクリアしなければならない様々な問題の最終調整中。でもあと2週間ぐらいではっきりできると思うわ。
地主との最終的な合意やスポーツ政治団体との調整も必要だし。できればオリンピックに間に合うように完成できればといいと思ってるんだけどね。時間は刻々と迫ってるけど、着工すれば10か月で完成するから2019年には完成するだろうし。
ISAとも何度もミーティングをして、密に連絡を取り合ってるんだけど、とにかく今は早く着工にこぎつけて完成させることを目指してるところなのよ。
既に千葉一宮に決定している、2020東京オリンピックの会場について、どうお考えですか。
もちろん開催地を千葉一宮としたIOC、JOCの決断には敬意を表しているし、一宮には素晴らしい波の立つことも理解している。でもオリンピックが開催される8月は一宮のベストシーズンとは言えないし、代替オプションのひとつとしての我々の施設があってもいいと思うし、サーファーたちはそれを期待していると思う。
でも、どこでやるにしても、サーフィンがオリンピック種目になるということは素晴らしいことだし、このスポーツを広める大きなチャンスだと思う。なにより私たちは日本が大好きだしね。だから東京オリンピックは本当に楽しみにしてるわ。
取材:F+編集長 つのだゆき
2020東京五輪サーフィン種目の会場は、既に千葉県一宮町釣ヶ崎海岸に正式決定している。平昌五輪時のIOC総会でも、会場変更といったアナウンスは特になかったことを受け、国内業界関係者からは現段階からの会場変更は難しいとする声も出てきている。しかし、WSL側はウェイブプールでの開催に意欲的な姿勢を崩さない。
なお、これまで複数候補が出てきていた国内の建設地について、ソフィーは明言を避けたものの、木更津・君津界隈が濃厚との説も出てきている。再開発中の品川・大井町駅付近に新たにできる商業施設内にフローライダーができるという噂もあり、いずれにしてもサーファーにとっては興味深い話題。続報が入り次第、THE SURF NEWSでもお届けしたい。
(THE SURF NEWS編集部)
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