ショートボードは足し算の美学、でもロングは引き算の美学。
『サーフボード』とひとことで言ってもそれらは似て非なるもの。
ロングボード(クラシック)はこう考える
サーフボードはオートバイに例えて考えるとわかりやすい。
ロングボードはバイクでいうとハーレー・ダビッドソンのような重量級のバイク。ハーレーは重くて動きもゆっくりだけど走り出したら止まらないグライド感(重量感)が魅力。
ロングのサーフィンもそんなグライド感を楽しむもの。サーフボードが重いだけでなくロングボードの多くがシングルフィンだから、ターンも大きく動きがゆっくりしている。
ハーレーとおなじようにグライド感たっぷりのロングボードも走り出したら止まらない。くりかえすが、ロングボードのサーフィンは重い乗物を操縦するところに面白さがある。
ちなみにハーレーのようなバイクがオフロードを苦手としているのと同じで、ロングボードもクリーンなフェイスの波を得意としている。波のタイプもブレイクが長く続く小波が向いている。
クラシックなロングボードの乗り方
結論をさきに言うと、ロングはその重さや大きさを利用してサーフする。つまりライダーが自分の力でなんとかしようとしてもロングは思うとおりにはならない。波待ちでボードの向きを変えるだけでも慣れていないとロングは苦労する。
でもタイミングとツボがわかれば、女性や子供のような力のないサーファーでも重いロングボードのコントロールは可能だ。ロングボードのコントロールに、むしろ力は必要ではない。つまり、ツボをおさえて最小限のボディムーブメントでロングボードをコントロールし、あとはひたすらリラックス、できれば直立の姿勢でロングボードを走らせる。
とにかく一生懸命にならないのがロングボーディングをかっこう良く見せるコツだ。下の映像は女性が優雅にロングボードを操る映像。参考にしたい。
https://www.facebook.com/surfer/videos/335500233696514
Josie Prendergast hosting a masterclass in graceful logging. Video: Nathan Oldfield
ノーズライディング
ノーズライディングはロングボーディングの華。それはロングボードを始めたら誰もが憧れる技だけれど、でもこの技はノーズに行けば良いというものでもない。というのもノーズライドはしなければいけないというルールでもテクニックでもないからだ。
それは言わば『流儀』つまり表現スタイル。だから大慌てでステップしてノーズにしがみつくようにハングファイブを決めてもダメ。直立したまま自然にステップしてノーズを決め、また戻る。その動きに流れがあり乱れがないことが重要。あくまでも優雅にさりげなく、それがクラシック・ロングボーディングだ。
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