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サーフィンの初心者が犯しやすいミスは世界共通

ビギナーだけでなく、ベテランもサーフコーチの声にもう一度耳を傾けてみよう。サーフィンがステップアップするヒントが隠れているかもしれないから。

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海外のサーフスクールのインストラクターはどんな風に教えているか?彼らはどんなことを考えて指導しているのか?これらは筆者が以前から知りたかった疑問だった。きっと彼らは波に乗るだけを教えているわけではないはず、と思っていたからだ。そんなインストラクターの声を聞くことができる記事がサーフラインにアップされた。

「The Most Common Mistakes Beginner Surfers Make:サーフィン初心者が犯しやすいミス」というテーマだけど、リアルサーファーが読んでも「えっ知らなかった」という話がいろいろ登場しますよ。有名なレジェンドも登場します。お時間のある方はぜひ。

This article based on the below.
The Most Common Mistakes Beginner Surfers Make
https://www.surfline.com/surf-news/common-mistakes-beginner-surfers-make/49600

ブライアン・スラット (Sunset Surratt Surf Academy)

私は40年以上もレッスンをしてきて、いろいろな経験を積んでいる。それでも毎日新しい発見がある。ビギナーがまず最も学ばなければならないのは、ローカルサーファーへのリスペクト(敬意)とサーフエチケット(礼儀作法)だ。ほとんどのスクールではそれを教えないし、生徒だけでなく、海のなかのサーファーも学ばなければならないと思う。

スクールでは海のラインナップ(波を待つサーファーたち)の状況を読む方法を教えることも大切。他のサーファーとぶつかってトラブルは起こしたくないからね。海のなかでの安全は、自分自身で守る。
もしインストラクターを探していたら、ライフガードに聞くのが一番だよ。彼らは良い先生が誰か知っている。
砂の上でポップアップ(立ち上がり)の練習は効果てきめんだ。練習はシンプルにしよう。ビギナーは海で頭の中がいっぱいになってしまうから、シンプルな練習で覚えるのが良いんだ。自然にサーフィンの動作ができるように練習する。まるでベッドから自然に起き上がるくらいにリラックスして笑顔でいられるように。つねに学び続ける姿勢、それは私も同じ。

陸上でのポップアップは効果的な練習

ウィル・スカディン (Skudin Surf Camp)

サーフキャンプで教えていて感じるのは、ビギナーがテイクオフするとき波に乗り遅れてしまうこと。原因はポップアップが早すぎるんだ。ポップアップはパドルで波をキャッチしてからだよ。もっとパドルして波をキャッチした方がいい。

スティーブン “シリドッグ” チュー (Laguna Beach Surf School)

波をキャッチするパドル力が初心者の課題だね。それができないとサーフィンを教えられない。
だから生徒のサーフボードを押すことになるんだ。波をキャッチするときには波の進行方向に対して垂直方向にパドルすることが大切。
波のブレイクを読むことはビギナーには難しいね。パドルアウトしてからは、セットが来なくても常に周囲に注意を払い、水平線からやってくる波を察知すること。それから海には背中を向けないこと、注意を怠ると波は容赦なく打ち付けてくるから。
波に乗ってからは、たいていビギナーはスタンスに問題がある。後ろ足に体重が掛かりノーズが上を向いてしまう。もう少しスタンスを広くして、膝は曲げ、進行方向を向けるのが良い。

コーキー・キャロル (Cork Carroll’s Surf Camp)

ビギナーの典型的な失敗は2つある。海のなかを歩くときに、サーフボードを波に向かって正対に持つことだ。波の勢いでサーフボードが顔面にヒットして大怪我するときがある。もう一つはワイプアウトしたときに頭を両手でカバーしないこと。ビギナーは慌てて海から頭を出そうとするけど、空中に飛び出したサーフボードが君を狙っていることに気づかないんだ。

タマヨ・ペリー (Oahu Surfing Experience)

ユーチューブを見るとたくさんのサーフレッスンのビデオが流れているけど、ほとんどが間違っていて混乱してしまう。僕のアドバイスは「ユーチューブは見るな」。間違ったやり方を練習しても意味がない。正しいやり方って微妙なんだ。それから、一度のレッスンで分かったと感じてしまう人もいる。モーツァルトは一夜で天才になったわけではない。あとは、波に乗るときに背後に注意しない人が多いかな。

ジョン・カセリ (Wave Masters Surf School)

サーフエチケットはビギナーが最も学ばなければならないことだね。特にローカルエリアでサーフィンをしようとするときはね。ビギナーであることは問題ではない。エチケットとはローカルに対するリスペクトの気持ちを持つことなんだ。ベテランサーファーたちは伝統に従う若いサーファーたちを好意的に感じるけれど、そのうえエチケットが良ければすぐに認められるよ。
初めて訪れたサーフポイントでは陸上から30分は波をチェックすること。そうすれば波の状態も理解できるし、ラインナップのサーファーたちの序列がわかる。そのような情報を得ていれば海のなかでトラブルを防ぐことができる。
初心者は膝を曲げないで腰を曲げる傾向がある。僕がコーチするときは、バッターボックスをイメージするようにと言う。野球のバッターボックスをサーフボードの上にイメージするんだ。その中にスタンスを置く、野球のバッターとサーフィンのスタンスは似ているからね。足を開いて膝を曲げて、頭はまえを向き、ボードからは目を離す。

二つ目の問題は、パドリングのときの身体の位置。私の教え方はサーフボードを水のなかに横たえるようにすること、すぐには誰にもできない。ビギナーは自分がどう見えているかを考えたらいいでしょう。些細なアジャストメントを学ぶことでしっかりしたポジションがつかめる。とくに左右のバランスも大切。しっかりしたプローンポジション(パドルの姿勢)の習得は難しんだ。
タイミングは重要。波がキャッチできなければ、ボードに立つこともできないからね。最初は誰もがポップアップが遅れると教える。ポップアップ(立ち上がる動作)をできるだけ速くすること、それは速ければ速いに越したことはない。適切なタイミングで速く立つ。ポップアップを先走ったり、ゆっくりだったり、遅れたりするのはつまり失敗、でもポップアップが速すぎて失敗ということはない。

コーリー・ピアース (Next Level Surf School)

陸上で十分なポップアップの練習をすること、膝を使って立ち上がることは重要。初心者は周囲のサーファーには礼儀を忘れずにいよう。そのことを多くのスクールが強調して指導すればサーファーとのトラブルは起きないでしょう。

ジョエル・シュルツ (Surf the Bu)

「初心者のボードのテールに腹ばいになってタンデムのようにサーフするスクールはダメ。まちがったバランスを覚えてしまう。ボードをほんの少しだけ押して、ポップアップのタイミングを教えるのは問題ない。
ビギナーには潮汐(ちょうせき)を教えることも重要。サーファーは潮の重要性をよく認識している。潮は時間で決まっているから、適切な時間帯を知ることはビギナーでも重要で、安全にもつながる。ラインナップの手前でボードの横に立って波を待つビギナーも良くない、シッテイングの状態で波を待たなければならない。海のなかで、リーシュを持ってボードを引きずっている初心者もいる。ワイプアウトした後に頭を両手でカバーしないのも危険だ。

サーフィンスクールではオーシャンナレッジも教えることが重要。 Photo by RR

ジャズ・カナー (Banzai Surf School)

すでにサーフボードを持っていてレッスンを受けにくる人がいる。そういう人のサーフボードはたいてい小さ過ぎる。小さいサーフボードでは初心者はテイクオフができない。サーフィンはサーフポイントを選ぶのが重要。初心者に向いた波は長くゆっくりと崩れる波、パワフルな波はだめ。サーファーがマッシーな波と言ってバカにするくらいの波が良い。砂の海底だともっと良い、海のなかを歩けるからパドルをセーブできる。

ヘザー・パイン (Surf with Heather)

最悪なのは他のサーファーの目前で、ビギナーが波のキャッチに失敗してボードを投げ捨てること。そんな危険な光景を何度となく目撃した。どのサーファーも、周囲に誰がいるか常に注意をはらうことも大切。高速道路で周囲の車に注意していることと同じ。なにかが起きたときのための安全策を考えておくべき。
エキスパートサーファーが集まっているメジャーなブレイクエリアにはビギナーは近づかないこと。ビギナー向けのサーフポイントで練習を積もう。

クウェイド・タトロウ (Surf with Nicole)

ビギナーのよくある失敗はポップアップで慌ててしまいスタンスを誤ってしまう。体を押し上げたら、視線は足元ではなく、行きたい方向に向かなければならない。
年長の生徒でよく犯す大きな間違いはユーチューブのビデオを見て悪いやり方をまねてしまうこと。インストラクターから正しい指導を受けた方が簡単で、しかも楽しい。もちろんフラストレーションが貯まることはなく、しかも短時間で効果があるから節約にもなる。
私たちは、波に乗ってポップアップすることよりも、まず波をキャッチすることに重点を置く。ときにはホワイトウォーターの波をキャッチすることもある。それができてからポップアップの練習に入るんだ。見た目は良くないが、波をたくさんキャッチする練習は、結局は早い上達につながる。セオリーとしては波の選択と波に乗るタイミングに時間を掛け、さらに経験を通じてオーシャンナレッジなども理解できるように、楽しみながらレッスンをしているよ。

マリー・オズボーン (Mary Osborne Surf)

初心者にとってまず一番に大切なことは最高のインストラクターを選ぶこと。経験不足のインストラクターに教えてもらっている人をよく見かける。間違ったサーフボードで、しかも初心者には無理な波でレッスンを受けているところを見るとフラストレーションが溜まるね。インストラクターは知識と経験を持ち合わせて生徒を指導しなければならない。金を稼ぐだけが目的では良い指導者とは言えない。

トミー・オステンドーフ (Beach Sports)

サーフボードに乗っているときノーズが沈みそうになったら急いで後ろに体重を掛ける。ボードが左右に不安定だったら前方に荷重する。波のフェイスに対してサーフボードがフラットになるようなスィートスポットを見つけよう。あなたのレベルに適切なシェープのサーフボードならば、波に乗って立つことは難しくはない。サーフィンのタイミングを覚えることは難しいけれど、それを手に入れるには練習を繰り返すしか他に方法はない。混雑していないサーフポイントを見つけて可能な限り波をキャッチしよう。
ワイプアウトは限りなく起きるだろうけど、それでOK。なぜワイプアウトしたか原因を究明しよう、理解するように努めればその失敗はやがて起きなくなる。そして次には上手くできるようにもう一度挑戦しよう。

(李リョウ)

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