シリーズ「おいらはサーファーの味方」⑯
「ジャーフル」とはジャノメミシンでもジャージャー麺のことでもありません。もちろん素っ裸でサーフィンすることでもな〜い。
ジャーフルとは両面ジャージーのウェット素材を使用したフルスーツのこと。略してジャーフル。真冬以外で使用します。両面ジャージーの特徴は耐久性が高い、使用するシーズンも長く、春から冬の水がまだ暖かい時期まで、いわゆる3シーズン。千葉以北ならば夏でも使いますね。
– ジャーフルとラバースキン(真冬用)の違い。
ジャージー素材は水を吸収する性質があるから冷たい風が吹くとラジエーターのように気加熱で体温を奪われやすい。表面がつるりとしたラバースキンとの大きな違いはそこ。
さらに内側のジャージーも真冬用は起毛と呼ばれる保温力の高い素材を使用するが、3シーズンのジャーフルは、起毛を使用していない。つまり真冬用ほど保温力を考えていないけど、そのぶん軽量で機動力は勝る。価格もお手頃。
ということでジャーフルの種類についてあれこれ。
– バックジップ
バックジップは背中にジッパーがあるタイプで歴史が長い。長い間サーファーに支持されてきたバックジップ、これしか着ないというサーファーも多い。そのメリットはデザインがシンプルだから価格も安く、それになんといっても着替えが楽~。止水バリアが付いて保温性も向上した。
デメリットは背中のジッパーでパドルが少し窮屈になることだけど、柔らかい素材やカッテイング技術で昔ほど気にはならなくなった。購入やオーダーするときは止水バリアが付いているかどうか必ずチェックしたほうが良い。暖かいシーズンだけ着るならば止水バリアはむしろ無いほうが快適。
– ネックイン
ジッパーもなにもついていないスパイダーマンのようなネックイン。「どうやって着るんだろう?」と誰もが思うが、ネックから足を入れて大きく引き伸ばして着る。
脱ぐときはスーツ内を膨らませて両手をネックから抜く。ジッパーが無いからパドルも楽で保温性も高いけれど、着脱にコツがいる。このスーツを初めて着る人は屋内で練習したほうがいい。もしくはシャワールームのような屋内で脱げるようなシチュエーションでまずは使うことをお勧めします。
冬に屋外で着替えるときは慎重に、、、。肌にぴったりしすぎて風が吹くとちょっち寒いときもある。
– フロントジップ
ネックインよりも首回りを大きくし、胸側で蓋をするデザイン。ジッパーの代わりにベルクロを使っているメーカーもある。背中にジッパーがないからパドルが楽、着替えもネックインより楽ということで主流になりつつある。カッテイングが複雑でメーカーによってデザインが大きく異なるから購入のときはどうやって着るのかチェックした方がいい。
コイルジッパー(防水)を使用したモデルが昨年あたりから登場し話題になっている。防水性が高く保温性が高いから真冬用と言えるかもしれない。
– 購入にさいしてのアドバイス
ジャーフルは耐久性が高く何年も使えるから、購入するときはシンプルな色を選ぶのがオススメかな。色のバリエーションは多いけど鮮やかな色は紫外線で変色したりする可能性もある。まあ毎年買い換えればいいんだけどね。
– 2mmか3mmかそれが重要だ
「1日2ラウンド当たり前でしょう」という人はできれば2mmと3mmを購入したいところ。気温の低い朝は3mm、そして2ラウンド目は疲れたパドルも考慮して2mmでさくさくとサーフィン。2mmのジャーフルは超快適ですね。まだ試してない方はぜひ!
保温性は3mmのほうがかなり高いですね。たった1mmの差ですがその差は歴然。地域によっては真冬でも着れますよ。
– 濡れたウェットのかんたんな着方
濡れたウェットを着るのはまるで罰ゲーム。濡れたウェットは袖を通すのが大変。そのときの裏技がコンビニの袋。これで袖を通すとメチャ楽。お試しあれ。
– ウェットスーツのトリビア : ジャック・オニール
サーフィン用ウェットスーツの誕生はオニールウェットスーツの創立者ジャック・オニールの功績が知られている。ジャックは航空機の床に敷かれていたネオプレーンからヒントを得てベストを試作。その後会社を設立しウェットスーツ業界のトップブランドに成長させた。(ネオプレーン素材のウェットスーツは1951年のU.C.バークレー校の科学者が最初で、ジャックはそれから1年後)
ちなみにジャックはサンタクルーズにSurf shopという名のサーフショップを開店。その名が一般名サーフショップという言葉の由来となった。
(李リョウ)
[協力]ウエストスーツ:http://www.westsuits-japan.com
パタゴニア: https://www.patagonia.jp
オニール : http://www.oneill.com
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トゥイース : TweesWetsuits
サーフィン百科事典 : https://eos.surf