2018年のチャンピオンシップツアー(CT)全戦が終了し、2019年のCTメンバーが発表された。
メンズのCTメンバーは、前年のCTトップ22、QSトップ10、インジュリーワイルドカード2名の合計34名。
「インジュリーワイルドカード」とは、怪我によりCTイベントの出場できず、CTトップ22入れなかった人のための特別枠。
2019年はケリー・スレーターと、ジョン・ジョン・フローレンスが選ばれ、枠から外れたカイオ・イベリがSNSで抗議。
この特別枠の選定方法が物議を醸している。
もう一人のワイルドカード候補、カイオ・イベリ
2017年CT最終ランキング17位で、2018年もCT参戦していたカイオ・イベリ(BRA)。
CT第3戦に向けてマーガレットリバーでフリーサーフィンをしていた際に足を骨折。6月の手術では足にボルトを埋め込んでおり、5~8月の4ヶ月もの間、水に入ることもままならない状況だった。
手術から2週間後、自身のInstagramでは「やっとギプスがとれてブーツになった。座りっぱなしの生活から脱出して、ようやくビーチに来れたよ。」と投稿。
秋から練習再開したが、始めの1ヶ月は殆どサーフィンできない状態で、11月のトリプルクラウン初戦『Hawaiian Pro』でようやく復帰した。
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WSLは「怪我の重症度」と「過去の活躍度」で判断
2019年のインジュリーワイルドカード候補は、ケリー・スレーター、ジョン・ジョン・フローレンス、カイオ・イベリの3名。
■2Xワールドチャンピオン ジョン・ジョン・フローレンス
2年連続ワールドタイトルを獲得しているジョンジョンは、バリでのフリーサーフィン中に膝を故障。前十字靭帯、部分断裂という重傷を負い、コンテスト復帰まで2~4ヶ月要することが発表された。
一度は最終戦『パイプマスターズ』での復帰を宣言したものの、結局開幕直前に自身のInstagramで欠場を発表した。結果的に、CT第5戦『ウルワツCT』以降すべて欠場した。
■11Xワールドチャンピオン ケリー・スレーター
ケリーは、2017年にJベイでフリーサーフィン中に足中骨を骨折。2018年のCTにはインジュリーワイルドカードで参戦したものの、Jベイ、サーフランチプロ、パイプマスターズの3戦のみ出場。欠場したバリ戦の開幕前日に、ビッグスウェルが入ったフィジーでのサーフィンが話題になっていた。
海外メディアによれば、10月に行われたWSLとWorld Professional Surfers(別名サーファーズユニオン)の会合では、インジュリーワイルドカードはケガの重症度と即時性から判断してケリーではなくカイオだという意見が多数あがっていたとのこと。さらに、カイオはWSLのCEO ソフィー・ゴールドシュミット氏にプライベートでミーティングを要求し、ソフィーは6回のCTイベントでワイルドカードを与えることを提案したが、カイオはそれでも納得出来なかったと報道した。
しかしながら、WSLは最終的にケリーとジョンジョンに与えることを決定。以下の通り説明している。
WSLコミッショナー キーレン・ペロー
「WSLの決定には納得がいかない」カイオ・イベリ
WSLの最終決定を受けて、カイオ・イベリは自身のInstagramで不満を爆発させた。
一般的なWSLファンからするとスター性があるジョン・ジョン、ケリーにワイルドカードを与えることは自然な流れにも思える。まして、来季CT引退をほのめかしたり、オリンピック出場への意欲を見せていたりするケリーにとって、2019年は外せない一年だ。
ただ、選手の立場で考えるとケリーが優遇され過ぎているという見方もあるだろう。 特にカイオ当人からすれば、フルでシーズンを回るのと欠場者が出ない限りCT参加出来ない宙ぶらりんの状態では不透明なスケジュールを強いられるし、収入面でも雲泥の差。
2019年シーズンが始まってもこの問題は引きずる可能性がある。
(空海)