「災」。2018年を表す漢字からわかるように昨年日本は様々な自然災害に見舞われた。数多くの地震に加え、集中豪雨、まれにみる台風の数と強さ、そして記録的な暑さ。
ところが、自然災害の増加は日本にとどまらず、また昨年に限ったことではない。世界的に見てもヨーロッパでも猛暑、カリフォルニアでは記録的な山火事、オーストラリアでは干ばつによる深刻な被害が出ている。
世界の海水温も3年連続で最高記録を更新し、2018年は観測史上最高記録となった。
何も変わらなければ、温暖化がこのまま加速していくに違いない。なら、私たちには何ができるのだろうか?
2018年の海水温が過去最高に
📢Last four years have been the warmest on record – and CO2 continues to rise.
Our new report:
– 2018 was more than 0.4°C warmer than the 1981-2010 average
– Average temperature of the last 5 years was 1.1°C higher than pre-industrial average
➡️https://t.co/FoUNTUCfNW pic.twitter.com/rfRT9DeLxK— Copernicus ECMWF (@CopernicusECMWF) 2019年1月8日
欧州中期予報センター(ECMWF)によると、2018年の地表気温の平均は14.7℃となり、1981年から2000年の平均気温よりも0.4℃以上高く、2015年から2018年は観測史上最も暑い4年間だったとか。
最新の研究発表では、長年予告されていた気候変動は海にも大きく影響してきていることが分かった。
今年の1月発行の科学誌Scienceによると、世界の海水温は5年前に国連が発表した予測よりも40%程早く上昇していて、3年連続で最高記録を更新している。また、地球温暖化ガスによって地球にたまった熱の内、約93%が海に吸収されることもわかった。
海水温の上昇による影響
この急激な海水温の上昇によって様々な影響が考えられる。
自然災害の増加:
冒頭に述べた異常気象の大きな要因の一つが、海水温の上昇と考えられている。海水温が上昇すると、多くの水分が大気中に蒸発し、大雨や猛烈な台風を招く。
海面上昇:
水が暖かくなると膨張するため、海水温の上昇によって海全体の体積が増えている。それに加えて極地の氷が解けることで海面の上昇に拍車をかけるのだ。南太平洋のツバルのような海抜が低い国では、ここ数年高潮による作物の被害や浸食によって島が丸ごと消えるなど甚大な影響が出ている。
また、世界各国でも海岸線の浸食が大きな問題となっていて、砂浜がなくなるだけでなく、海面が上昇すれば、世界中のリーフブレイクにも大きな影響があることは間違いないだろう。
海洋生態系の崩壊:
ちょっとした水温の上昇が、敏感な海洋生態系にも大きな影響を与えると考えられている。珊瑚の死滅に始まり、そこから続く食物連鎖が崩れ、人間が食用にしている回遊魚にまで影響を及ぼしかねない。
では、地球温暖化が進んでいる現実を踏まえ、私たちには何かできることがあるのだろうか?