世界のトップサーファーによって争われる2019年のチャンピオンシップツアー。
通称CTがオーストラリア・ゴールドコーストで4月3日〜13日に開催される。
メンズは『Quiksilver Pro Gold Coast』、ウィメンズは今年からメインスポンサーが変わり、『Boost Mobile Pro Gold Coast』がイベント名。
ディフェンディングチャンピオンはジュリアン・ウィルソンとレイキー・ピーターソン。
セス・モニーツなどの新しい顔がツアーに加わり、男女賞金同額化や、R3以降は全てマンオンマンになるなどのフォーマットの変更、トライアル枠見直しなど2019年は多くの変更点がある。
また、2020年東京オリンピックの選手選考も兼ねた重要なシーズンになる。
ゴールドコーストのサーフィンの歴史
ゴールドコーストのサーフィンの歴史はハワイのデューク・カハナモク、アメリカのトム・ブレイクの時代まで遡る。
1920年代初頭にはキラサーフライフセービングクラブのメンバーがキラポイントでサーフィンをスタート。
1977年にIPS(International Professional Surfers)の開幕戦として『Stubbies』がバーレーヘッズで開催され、マイケル・ピーターソン、ラビット、マークリチャーズなどが優勝。
数十年に渡ってこの地域が世界のサーフコミュニティの注目を集めるようになった。
ピーター・ドルーインによってオーガナイズされた『Stubbies』には44名のメンズサーファーが参加、初のマンオンマン形式のヒートが行われた。
IPSは1年早い1976年(その後、1982年にASP、2015年にWSLに名称が変更された)に始まったものの、多くの関係者は『Stubbies』が初のツアー公式イベントと考えている。
ゴールドコーストのサーフポイント
メイン会場のスナッパーロックスはサンドバーが形成されると長いバレルが生まれるポテンシャルがある。
西側にはグリーンマウント、キラと世界でも有数のライトのポイントブレイクがあり、スナッパーロックスからキラまで全て繋がる「スーパーバンク」の異名もある。
この地域の地形は東側のツイードリバーの南から砂を汲みあげる人口の水路に支えられている。
スナッパーロックスのベストコンディションは南風。
東北東〜南東ウネリが入った時。
特に周期が長い東南東ウネリが入った時は長いバレルが生まれる。
圧倒的な強さのオーストラリア勢と最多優勝記録保持者のケリー
このイベントは開催国のオーストラリアの選手が圧倒的に強く、1977年の『Stubbies』以来、ローカルのミック・ファニング、ジョエル・パーキンソンを含め、22度もオージーが制している。
アメリカが9度、ハワイが3度、ブラジルが2度。
最多優勝記録はケリー・スレーターの6度、その内の5回はワールドタイトルの年に優勝している。
マンリー ビーチでのQS6,000『Vissla Sydney Surf Pro』でウォーミングアップを行なったケリーがもし2019年の開幕戦を制することがあれば、ジョン・ジョン・フローレンス、ガブリエル・メディナなどのワールドタイトル候補の脅威になるだろう。
ウィメンズの最多優勝記録はステファニー・ギルモア
ゴールドコーストでウィメンズのイベントが初めて開催されたのは1988年。
メンズ同様にオージーが強く、17度。
その他の国の選手はハワイのカリッサ・ムーアが2度、アメリカのレイキー・ピーターソン、ペルーのソフィア・ムラノヴィッチが1度ずつ。
2002年以降は開幕戦を制した選手の47%がワールドタイトルを獲得。
2008年以降は開幕戦を制した選手の全員がタイトルレースに加わっており、いかにこの1戦が重要なのかを数字が示している。
最多優勝記録はステファニー・ギルモアの6度。
ホームの彼女はスナッパーロックスの波を誰よりも知り尽くしている。
昨年レイン・ビーチェリーに並ぶ7度目のワールドタイトルを獲得して最も勢いがあるステファニーが開幕戦の優勝候補であることは明確だろう。
なお、昨年の南アフリカ戦でA型インフルエンザに罹り、その後にウイルス感染後疲労症候群と診断されて欠場が続いていたタイラー・ライトがまだツアー復帰の段階に至らず、CT前半戦の欠場を発表。
一刻も早い回復を祈る。
Men’s CT#1 Quiksilver Pro Gold Coast
Women’s CT#1 Boost Mobile Pro Gold Coast
期間:2019/4/3-2019/4/13
場所:Gold Coast, Queensland, Australia
試合のLIVE配信は「WSL公式サイト」か「WSL公式Facebook」で視聴できる。
WSL公式サイト:http://www.worldsurfleague.com/
WSL公式Facebook:https://www.facebook.com/WSL
(空海)
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