2020年の東京オリンピック開催まで500日前を切り、会場となる千葉県・釣ヶ崎海岸(志田下)では、いよいよ本格的な工事が進行していく。
これまでこの会場整備に関しては、サーフィンがオリンピックの追加種目に決定となった後もあまり進展が見られず、本当に会場は海なのか、ウェーブプールではないのか、などの憶測も多く聞かれてきた。
また、地元住民や一部のローカルサーファーコミュニティなどでも、「端の方から伐採工事が行われているが、そこに何ができるのかは知らない」など、詳細については情報が出てこない状況が続いていた。
しかし先日、3月末にオリンピック競技大会組織委員会が地域住民を対象とする正式な説明会を実施。会場には一宮町の馬淵町長 をはじめ、神奈川県や一宮町の各担当者も参加し、現在の状況や今後の工事スケジュールなどを発表。競技会場や関連施設について、いくつかの情報が明らかになった。
会場南側には自然公園、トイレ・シャワーのほか展示スペースなど
競技会場(志田下)付近の保安林整備については千葉県が担当。その基礎的な工事については、既に会場の南側スペースは3月末で終了。今後は 2020年3月までに会場北側の保安林整備を進めていく。
また、現在の志田下の駐車場に隣接する形となる「自然公園」については、2020年1月までに整備を行い、公園内にはトイレ・シャワー・展示スペースなどが建設される予定。この“展示スペース”の具体的な利用方法はまだ決まっていないが、施設の壁面を利用した展示物の設置や、施設内では地域の会議なども行えるMTGスペースなどを想定。
東京オリンピック終了後に仕上げ工事を行い、2021年4月より一般公開をされる予定だ。
競技会場は志田下の正面全域、堤防の右側は「ウォームアップエリア」
自然公園や広場などの工事スケジュールのほか、海の中のエリア規制についても、いくつかの情報が明らかになった。
実際に競技が行われる海の中については、志田下の正面全域が「競技エリア」として予定されており、南側(海に向かって右手)堤防の右側は、各国の代表選手が練習を行う「ウォームアップエリア」となり、一般サーファーの利用は不可となる。このウォームアップエリアを含む会場の使用期間については、7/14(日)~サーフィンフェスティバル終了の8/3(月)までを想定。
通常のサーフィンコンテストと比べ期間/範囲は大きいものとなるが、必要最小限にとどめるという方針で地元サーファーへの理解を求めた。
会場内の観覧席について
当初予定では、約2,000名分となる観覧席の建設を検討していたが、現状は立ち見の観戦として約6,000名分のスペースが用意される予定。
また、観戦チケットが有料である以上、会場の外から観覧ができないようにするのでは、などの噂もあったが、ビーチや堤防などに塀を建てるなどの予定は無いとのこと。
その他、地元の小中学生の優遇などについては一宮町でも別途検討しているものの、県民または町民の全てを優遇することは現実的に難しいため、チケットの確保は皆さんで積極的に行ってほしい、とした。