5月7日、2020年東京オリンピックの競技会場となる千葉県一宮町・釣ヶ崎海岸(通称:志田下ポイント)にて、 『第1回ジャパンオープンオブサーフィン』が終了。村上舜、松田詩野が初代チャンピオンに輝いた。
これと同時に、今年9月に宮崎県・木崎浜で開催される世界選手権 『ISAワールドサーフィンゲームス』に出場する日本代表選手6名も決定した。世界選手権でアジア1位になれば、2020年東京オリンピックへの出場枠が確保される。
初代日本チャンピオンは村上舜と松田詩野に
大会最終日は、AM6:50に女子ラウンド3からスタート。3人の20分ヒートで上位2名が準々決勝(QF)に進出し、以降は2人ヒート。朝の波はコシ~setハラサイズ。午後の満潮にむけてハラ~ムネ程度にサイズアップし、風は徐々に北東のオンショアがきつくなるコンディション。
女子決勝では、松田詩野と中塩佳那が対決。前半は中塩佳那がグッドスコアを出し先攻するが、残り8分で松田詩野が逆転。落ち着いた波選びで5.33、4.33とスコアを重ねて優勝。
男子決勝では、村上舜と大橋海人が対決。村上舜は、まるでゾーンに入ったかのような集中力とキレのあるサーフィンを見せ、序盤からハイスコアを連続で叩き出し見ている者を圧倒。
ここまで高い技術力と試合経験で貫禄のサーフィンを見せていた大橋海人も、ファイナルではトータルヒートスコア9.37と波選びに苦戦。勢いが止まらない村上舜は、残り8分で8.80の更なるエクセレントスコアを叩き出し、トータル17.43で圧勝した。
当日は刻々と波の状況が変わるコンディションで、ポジショニングと波の選び方が明暗をわけた。地元一宮出身で先日同会場で開催されたQS6000『Ichinomiya Chiba Open』で3位となった稲葉玲王もラウンド3で敗退。大原洋人は、準々決勝で村上舜と対戦し、惜しくも敗退した。
『第1回ジャパンオープンオブサーフィン』結果
男子
1位 村上舜(Shun Murakami)/1997年3月3日生/神奈川県出身
2位 大橋海人(Kaito Ohashi)/1992年2月16日生/神奈川県出身
3位 伊東李安琉(Riaru Ito)/2002年8月18日生/宮崎県出身
4位 上山キアヌ久里朱(Keanu Chris Kamiyama)/2001年1月6日生/大阪府出身
女子
1位 松田詩野(Shino Matsuda)/2002年8月13日生/神奈川県出身
2位 中塩佳那(Kana Nakashio)/2004年1月29日生/宮城県出身
3位 都筑有夢路(Amuro Tsuzuki)/2001年4月5日生/神奈川県出身
4位 西元ジュリ梨乃(Rino Julie Nishimoto)/2001年6月11日生/ハワイ出身
2019年日本代表“波乗りジャパン”が決定
ジャパンオープンの結果を踏まえ、今年9月の『ISAワールドサーフィンゲームス』に出場する日本代表選手男女各3名が決定。
2018年のワールドランキング1位の選手として、WSLのチャンピオンシップツアー10位だった五十嵐カノアと、予選リーグのQSで14位だった前田マヒナ穂乃香が選出された。(日本人女子でCT参戦者はいない)
今回のジャパンオープン優勝者として、村上舜と松田詩野が選出。
残るNSA強化部の推薦枠として、過去のISA戦績を考慮して大原洋人と脇田紗良が選ばれた。
推薦枠の選出基準について、NSA吉永修強化本部長は記者会見で以下の通り説明をした。
男子は、オープンとジュニアの選手でレベル差があるため、昨年の「ISA世界選手権」出場者の中から選出。村上選手がジャパンオープンで優勝したため、次点だった大原選手に決定しました。
女子は、オープンとジュニアの選手のレベル差が殆どないため、昨年の「ISAジュニア世界選手権」でU16で3位だった脇田紗良に決定。U18で3位の野中美波は同率ということになりますが、現在のWQSランキングも加味して上位の脇田紗良に決定しました。
コメントの通り、推薦枠の選出基準はISAの実績が主となり、男子では昨年の「ISA世界選手権」出場選手3名に優先権があったようだが、五十嵐カノア、村上舜がそれぞれ自力で出場枠を獲得しているため、男子の推薦枠は大原洋人に確定。
女子の推薦枠については、オープン/ジュニア(U18、U16)全てのカテゴリーが同列に評価されることとなり、昨年メダリストの野中美波、脇田紗良が同率となり、WSLのQSランキングで現在6位の脇田紗良に決定した。
(野中美波は2018年JPSA年間ランキング1位だが、QSランキングでは48位)
2019年9月の「ISA世界選手権」でアジア1位になれば、日本として2020年東京五輪への出場枠が確保される。アジア1位を獲得した選手は五輪へ内定となるが、 2020年の世界選手権でより上位の選手が出てきた場合は、五輪出場権はその選手へ移行する。
ISAが定める五輪選考基準で最も優先順位の高いWSLのCT10位以内選手の場合、2019年と2020年の「ISA世界選手権」への参加が必須だが、それ以外の選手はどちらかの年に出場すれば条件は満たされる。そのため、今回日本代表に選ばれなかった選手でも、2020年5月頃実施予定の『第2回ジャパンオープン』に出場し、2020年「ISA世界選手権」に出場が出来れば、まだ五輪出場のチャンスが残っている。
2019年 日本代表選手「波乗りジャパン」
Open Menクラス
五十嵐カノア(Kanoa Igarashi)/1997年10月1日生/カリフォルニア出身
大原洋人(Hiroto Ohhara)/1996年11月14日生/千葉県出身
村上舜(Shun Murakami)/1997年3月3日生/神奈川県出身
Open Womenクラス
前田マヒナ(Honoka Mahina Maeda)/1998年2月15日生/ハワイ出身
松田詩野(Shino Matsuda)/2002年8月13日生/神奈川県出身
脇田紗良(Sara Wakita)/2002年10月10日生/神奈川県出身