UNDERCURRENT/アンダーカレント
まずは巻末のコーナー「アンダーカレント」。ここは専門誌の「ベンチ裏」的な場所で、肩のこらないショートストーリーや“つぶやき”が多い。料理でいうとピンチョスみたいな一口サイズ。ジャーナルを手に入れたときは、とにかくこのコーナーをサクって読んでおくといい感じで本編の記事に入っていけます。 その中のお薦めが「DARTY WEST」。ここで腹を抱えて笑ったら、後はしめたもの。初デートの緊張感がほぐれたような、そんな感じ。ちょっとスキップして編集後記もざっくり読んでいただけると楽しみが倍増する。その米誌編集長のスコット・ヒューレットとは、じつは面識があるんだな。米ロングボード誌に私の写真が使われたのも、じつは彼のおかげ。彼の手書きの名刺まだ持ってます。
AKA STONER’S/ストーナーズポイントと呼ばれた波
サーフィンオタクならば、このタイトルでピンとくるハズ。でも「?」となった読者のために、この記事の背景を少し。60年代にサーファー誌で活躍したロン・ストーナーという伝説のサーフフォトグラファーがいて(この記事にも使われている)、その彼が撮影に好んだサーフブレイクだから「ストーナーズ」と呼ばれた。と誰もが思っていた。サーフカルチャーに詳しいオタクならば99%がそう思っていたはず。だが、それは事実とは異なって、周到に画策されたマーケティング戦略で、、、という裏話もあって「へ〜」連発ですが、基本的にはサーフィン開拓史です。それにしてもロンストーナーの写真がやばい。ウォーレン・ウオーツが登場してきそうなほどハードボイルド。
じつはこのストーナーズいまでは訪れる人も少なくガラガラらしい。波質はマリブタイプでそうとう長いライトのようですが誰もいない。トリップいかがでしょう?
Something
About California Bugged Dennis Stock
デニス・ストックを悩ませた、カリフォルニアのなにか
写真を見て「ああ、あれを撮った人」と言われれば写真家冥利に尽きるだろうと思う。ジェームス・ディーンのあれを撮った人です。いや「あれ」じゃなくて、雨のニューヨークをディーンが歩くシーンの一枚です。写真家としてサムシングを持ってる人ですね。ブレッソンのような、何かと何かが突然ぴたりと来る瞬間を予期して、あとはシンプルにキャプチャーしモノクロで焼く。
その俳優はジェームス・ディーンという名だった。デニスが「彼はすばらしい俳優だ!」って言うものだから、わたしは2日間の条件付きでゴーサインを出すことにした。けっきょくデニスは、インディアナからニューヨークまでディーンと行動を共にし、映画「理由なき反抗」の撮影がはじまるころにLAに戻るまでの2ヶ月間、旅を続けたんじゃあなかったかな。
(本文より抜粋)
そのデニス・ストックが撮った作品でカリフォルニアの文化をモチーフにした写真集があり、サーフィンが登場するからTSJで記事にしてみようということになったようだ。経年で劣化ではなく熟成しているのが分かりますね。クリエイティブな発想のヒントをいただきました。感謝
(李リョウ)
THE SURFER’S JOURNAL(ザ・サーファーズ・ジャーナル)日本版9.1号
発売日:2019年5月15日
定価:2,052円
●世界でも選りすぐりのフォトグラファーによって捉えられた、サーフィンの美しく迫力に満ちた瞬間。
●新旧様々なライターたちに綴られる、本質的でバラエティに富んだストーリー。
最も信頼されるサーフィン誌として世界中のサーファーたちから愛されており、書店では買うことができない希少なライフスタイル・マガジン。
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