5月26日に開催された全日本障がい者サーフィン選手権
5月18日〜6月2日まで千葉県いすみ市で、今年で16周年を迎える『サーフタウンフェスタ2019』が行われた。5月26日には真夏のような気温のなか、太東海水浴場で『第2回JASO全日本障がい者サーフィン選手権』を開催。その模様が動画で配信されている。
障害者サーフィンの普及と障がい者サーフィン競技の健全なる発展を図る目的で設立された「JASO日本障害者サーフィン協会」が主催するこのコンテストでは、ハンデを持っていても楽しくサーフィンを競い合えるように、「ISAアダプティブサーフィン世界選手権」と同じ 以下のクラス別でヒートが行われた。
・AS-1〜2:立って、又は膝立ちでサーフィン
・AS-3:座ってサーフィン
・AS-4:腹ばいサーフィン(自力でゲット&テイクオフ)
・AS-5:腹ばいサーフィン(アシストが必要)
・AS-VI:視覚に障がいがある方
・デフクラス:聴覚に障がいがある方
・チャレンジドキッズクラス:障がいのある小学生から18歳まで
半身不随を乗り越えサーフィンに情熱を注いでいるJASO代表理事のTED阿出川さんはAS-4とAS-5の合同ヒートに出場。阿出川さんを始め、参加した選手からはいい波でコンテストを楽しんだ様子がうかがえる笑顔が溢れていた。
真木蔵人、泰人兄弟もサポーターとして参加。コンテストは波と天気に恵まれ、素晴らしいライディングが次々とメイクされ会場を沸かせた様子が映像として記録されている。
誰にでも分け隔てなくやってくる波という自然
障害を持つ人は楽しめることが少ないと思われがちだが、実はそんなこともなく、健常者と同じように遊び、楽しめる。それどころか、補っている他の部分が強く、賢く、繊細に機能を高め、健常者以上の能力を備えて楽しんでいることを、視覚障害を持つ父と生活してきた私は知っている。
しかしながら、常に一定しない動きを保つ波の上で、バランスが取れるように身体の軸の位置をを変えながら進んでいくサーフィンというスポーツはリスクの高い競技に思えた。でもそれは勘違いだったようだ。
TED阿出川さんがインタビューの中で話した「毎日違う波が来るから(サーフィンは)面白いんだ」という一言に、誰にでも分け隔てなくやってくる波という自然と、彼のサーファー魂を垣間見ることができた。
(桜井恵)