5月26日から8日間にわたって開催された『2019 ISA World Longboard Surfing Championship』が現地時間6月2日に終了。ヨーロピアンサーフィンの発祥の地とも言われているフランスのビアリッツ「コート・デ・バスク」を舞台に行われ、昨年よりも9ヶ国増加の31ヶ国・102名が参加。
コンテスト序盤から開催国フランスが支配
コンテストは序盤から開催国フランスが支配。4名の参加選手全てがグランドファイナルに残る圧倒的な強さを見せ、オーバーヘッドのセットが入り、風の影響も入った難しいコンディションでウィメンズはアリス・レモーンが金メダル、ジャスティン・デュポンが銀メダル。
メンズはベストスコアのトップを独占したアントニー&エドゥアルドのデルペーロ兄弟が銀メダル、銅メダルを獲得して団体では堂々の金メダルを獲得。
2013年にペルーで開催された同イベントでもアリス・レモーンを除くこの3名の活躍で団体金メダルを獲得していたフランス。
特にアントニー・デルペーロの強さは圧倒的で、ファイナルではペルーの強豪ブノア’ピッコロ’クレメンテに敗れたものの、イベント唯一のパーフェクト10をスコアするなど誰よりも素晴らしいサーフィンを披露していた。
リユニオン島出身のアリス・レモーンは、今回初めてフランス代表として選ばれて金メダルを獲得した。
最高よ!このチームのメンバーに選ばれてからずっと優勝することを夢見ていたの。今日、その夢が叶ったわ。全ての家族、友人がいるこの場所での優勝は本当に特別よ。アリス・レモーン
男子個人金・ブノア’ピッコロ’クレメンテ
WSLでは2度もワールドタイトルを獲得、2018年の同イベントでは銀メダルを獲得していたペルーのヒーロー、ブノア’ピッコロ’クレメンテは絶好調だったデルペーロ兄弟を最後に逆転して見事初の金メダル獲得。
この喜びはとてもじゃないけど説明出来ないよ。この世界選手権でどれだけ優勝したかったか。ISAイベントには数えきれないほど参加してきたけど、いつも優勝を夢見ていたんだ。厳しいファイナルだった。親友でもあるデルペーロ兄弟は素晴らしいコンペティターでもあるからね。
ブノア’ピッコロ’クレメンテ
今大会は『Lima 2019 Pan American Games』のクオリファイも兼ねており、アメリカ大陸の上位1名となるペルーのピッコロ、ウィメンズはブラジルのクロエ・カルモンが参加資格を獲得。
両者共にすでに参加資格は持っていたものの、このイベントは最も優先順位が高いため、トップシードとしてクレジットされることになる。
日本代表は田岡なつみが5位、Aloha Cupで銀メダル獲得
日本代表は昨年4位でISAのロングボードでは初のメダル獲得を成し遂げた田岡なつみがファイナルデイに残り、事実上準決勝となるラウンド5でアメリカのソレイユ・エリコ、フランスのアリス・レモーンに抑えられて3位敗退。
敗者復活戦となるリパチャージR8ではフランスのジャスティン・デュポン、ブラジルのクロエ・カルモンが圧倒的なライディングでスコアを伸ばし、田岡なつみはロースコア止まりで3位敗退。個人5位でフィニッシュ。
その他、浜瀬海が17位、北村健一が29位、椛沢実里が31位で団体での結果は昨年と同じ7位。
しかし、初参加の国別対抗リレーレース「Aloha Cup」ではフランスに続く2位となり、銀メダルを獲得した。
2020年東京オリンピックの次の2024年の開催国でもあるフランス。主催のISA(国際サーフィン連盟)は、かねてから五輪種目としてロングボードの追加も目指しており、今イベントの成功が大きな布石になっただろう。
『2019 ISA World Longboard Surfing Championship』結果
メンズ
1位 ブノア’ピッコロ’クレメンテ(PER)
2位 アントニー・デルペーロ(FRA)
3位 エドゥアルド・デルペーロ (FRA)
4位 コール・ロビンス(USA)
ウィメンズ
1位 アリス・レモーン(FRA)
2位 ジャスティン・デュポン(FRA)
3位 クロエ・カルモン(BRA)
4位 ソレイユ・エリコ(USA)
団体
1位 フランス
2位 ペルー
3位 アメリカ
4位 ブラジル
…7位 日本
国別対抗リレーレース
「Aloha Cup」
1位 フランス 42.93
2位 日本 30.97
3位 アメリカ 27.10
4位 ブラジル 21.77
■日本代表選手の結果
5位 田岡なつみ
17位 浜瀬海
29位 北村健一
31位 椛沢実里