3フィンか4フィンかそこが問題だ!
文:アダム・フィッシャー、構成:李リョウ
(theinertia.com“Thruster vs. Quad Fin: What to Ride and When”を基に翻訳&構成いたしました。このコラムは筆者の主観で書かれています)
ファイブプラグのサーフボードが増えている。そこで必ず話題になるのが「スラスター?それともクアッド?」という疑問だ。さて、Board Engine というサーフボード選びのアドバイスをしてくれるサイトがある。年齢や体重を打ち込めば最適なサーフボードを選んでくれるのだけれど、かと言って3か?それとも4か?というセットアップまではアドバイスしてくれない。
結論をさきに言うと、このフィンの数には明快な答えがまだない。なぜかというと、どちらもすばらしいし、なにを期待するかは人によって違うからだ。とにかく最近のサーフボードにはファイブプラグのオプションが多い。(すでに5フィンも登場している)
フィンはサーフボードのパフォーマンスに大きな影響を与える。フィンの数を変えるだけで40%近くパフォーマンスに違いが起こる。フィンの数や配置を変えるとサーフボードは劇的にその性格を変えるからだ。
フィンのセットアップについての理解を深めるには、まずフィンの歴史を知ることが大きな鍵となる。シングルフィンは、大きく重い木製のサーフボードの時代に登場した。サーフボードを波のフェイスで安定させるのが目的だった。サーフボードのドライブ性とホールド性を高めるためにシングルフィンは長い時間を掛けて洗練されていった。
ツインフィンからスラスターが生まれた
ツインフィンはシングルフィンとは逆にサーフボードにルースでありながらドライブ性を高めるように考えられられた。体重の重いサーファーでも簡単にターンができるツインフィンに注目したマーク・リチャーズは、自らツインフィンのサーフボードを開発し世界チャンピオンを獲得した。
その後、サイモン・アンダーソンがツインフィンデザインよりもさらに性能の良い「スラスター」を開発した。3枚のフィンはツインフィンに比べてダウンザラインのスピードは落ちたが、ターンのときのコントロール性能が増して、スライドアウトしてしまうツインフィンの欠点を補ってくれた。
クアッドフィンはそのツインフィンとスラスターの性格を兼ね備えている。まずダウンザラインのときにセンターフィンを持つスラスターよりも抵抗が少ないという特徴がある。またクアッドと言ってもその性格はさまざまでフィンの位置によって大きく変化する。リアフィンをサーフボードの中心に近く、後方にセットするとその性格はスラスターに近くなる。逆にリアフィンのそれぞれを離して、フロントフィン寄りにセットすればツインフィンのような性格に近くなりダウンザラインのスピードも増す。