2020年東京オリンピックの選手選考も兼ねている今年のワールドツアー。
日本を除く国は最大でメンズ2名、ウィメンズ2名の枠しかなく、2019年のワールドツアーのランキングが選手選考の優先権で一番目となり、メンズ10名、ウィメンズ8名が選ばれる。
メンズではアメリカ、ブラジル、オーストラリアの選手の代表争いが激しくなり、アメリカはハワイも含むためにシーズン前半に好成績を重ねたジョン・ジョン・フローレンスが第一候補でコロへ・アンディーノ、コナー・コフィン、セス・モニーツ、ケリー・スレーターなどが残りの1枠をかけての戦いになると予想されていたが、ジョン・ジョンがブラジル戦で右膝の負傷が再発して脱落。
変わって調子を上げてきたコロへがカレントリーダーの座を手に入れたために第一候補に躍り出て、次点は若いコナー、セスの失速を尻目にまずまずの結果を重ねてランキング8位のケリーが現在の選手選考争いで有利になっている。
ケリーは秋の『ISAワールドサーフィンゲームス』に出場するのか?
もし、ケリーがオリンピック出場の意思があるならば、2019年9月7日〜15日に宮崎県・木崎浜で開催される『ISAワールドサーフィンゲームス』に代表として指名された場合、必ず参加しなければいけない。
その件についてCT第6戦Jベイで敗退した後、米大手放送局NBCのインタビューで答えていた。
「オリンピック出場についての決断を迫られている。現在の全ての状況を把握して今後数週間で決定をしなけれないけない。自分はそのイベントでサーフィンする必要があると思う。もし、出場しなければ失格になるかもしれないからね。でも、日本で戦うには気分が乗らないんだ。とにかく、今はオリンピックについてハッキリしたことは言えない。現時点で関心はないということさ。ツアーの中で自分自身の調子を取り戻そうとしているからね。 」
今シーズン、ようやく長い怪我の治療から復帰してフルでCTを回っているケリー。
シーズン前、ニュージーランドの新聞、「New Zealand Herald」の取材に応じた時はオリンピック出場に意欲を見せる発言を残していたが、いざシーズンが始まると状況は変化。
『ISAワールドサーフィンゲームス』に参加するとなるとスケジュールが非常にタイトになり、せっかく戻った調子に影響を与えることにもなりかねない。
引退前に12度目のワールドタイトルを狙う彼にとって3戦続けて9位になったプレッシャーも関係しているのかもしれない。
『ISAワールドサーフィンゲームス』前後のスケジュール
■8月21日〜9月1日 CT第7戦『タヒチプロ チョープー』
■9月7日〜15日 『ISAワールドサーフィンゲームス』
■9月19日〜21日 CT第8戦『フレッシュウォータープロ』
ケリーの心境
「これまでのキャリアで少なくともQFまで進出していたこのイベント(Jベイ)で9位はひどい結果さ。自分の結果にショックではなく、驚くこともないけどね。周囲の人は誰もが年齢のことばかり気にして、突然これまでやってきたことを忘れてしまったようだね。今、頭の中ではオリンピックよりもツアーに集中しているんだ。今年はオリンピックチームのことを考え、大きなプレッシャーをかけてしまった。来年オリンピックに出場して引退という形になるかもしれない。そんなことを考えてシーズン初めに大きなプレッシャーをかけてしまい、自由に戦えなかったんだ。本当に考え過ぎたね。だから、オリンピックのことは一度置いといて考えないようにする必要がある。そんな感じなんだよ」
もし、ケリーのオリンピック出場が実現すれば48歳。
夏季オリンピックではアメリカで馬術、セーリング、射撃以外の最高年齢を記録することになるそうだ。
(空海)
参考記事「Kelly Slater has an Olympic decision to make|NBCsports」