東京2020オリンピックの選手選考も兼ねている2019年CTで4戦中2勝と開幕戦から好成績を重ねていたジョン・ジョン・フローレンス。
第5戦のブラジルで右膝の靭帯を再発。手術を受け、今シーズンのタイトル争いからは脱落したが、早ければ12月の最終戦パイプラインには間に合う可能性が出てきた。
第6戦を欠場したジョン・ジョンの現在のランキングは3位。
32,425ポイントで残り4戦も出場出来ない可能性が高いが、ポイント数から判断するとすでに2018年の7位〜8位のポジションを得ている。
もし、最終戦パイプラインに間に合えば、更にランキングを上げる可能性もあり、CTランキング10位以内で各国2名の枠という東京2020オリンピックの選手選考にも十分当てはまることになるのだ。
ジョン・ジョン本人もそのことは十分に理解した上で米ESPNのインタビューで以下のように2020東京オリンピック出場について答えている。
オリンピック出場について、今回の手術はどの程度影響している?
幸いシーズン始めに多くのポイントを得たので、まだオリンピック出場の可能性は残されている。
オリンピックに出場することは夢でもあるし、素晴らしいことさ。
でも、自らコントロール出来ない今の状況では、黙ってケリーの結果を見ているしかないよ。
最近、ハッシュタグ#Tokyo2020を使用してパドルアウトするビデオをInstagramに投稿したよね。あれは刺激的だったけど、何故あの投稿をしたの?
遊びでもあるし、真実でもある。
オリンピックに出場することは怪我をした後でも目標であり、それを目指して努力していることを人々に知らせたいと思ったんだ。
今の短期的な目標はコンテストに戻り、パイプラインでポイントを獲得すること。
長期的な目標はケリーが残りのシーズンで十分なポイントを獲得出来なかった場合、次のCTシーズンの開幕時に150パーセンント準備を整え、来年のオリンピックのために十分なトレーニングをすることさ。
あの投稿の翌日、ケリーがオリンピック出場の前提条件である9月ISAワールドサーフィンゲームスにアメリカ代表として選ばれた。あれは偶然だと思う?
ケリーがオリンピックに参加したいと思っていることは確かさ。
彼にとって些細なことを好むことも知っているよ。
でもね、絶対に彼に勝ってみせるよ。彼はポイントのことを十分に考えているだろうし、私のことを抜かそうとしている。
ケリーがオリンピックに集中せず、ISAワールドサーフィンゲームスに出場するかどうかも明確ではないというインタビューは信じている?
ケリーがコンテストについて話していることは信じられないよ(笑)
今シーズン、ツアーに戻るタイミングの決断は?
パイプラインの前のケリーの結果次第だね。
あと、他のアメリカ人の結果を見て自分がコンテストに戻る価値があるかどうかで判断するよ。
パイプラインが開催される頃には膝の調子が良くなる可能性がある。
オリンピック出場のためにパイプラインでサーフィンする可能性は十分にあるよ。
でも、その時になっても膝の調子が良くない場合は考える必要がある。
今の気分的にはチャンスをものにしたいと思っているんだ。
ジョン・ジョンがオリンピックに出場するための条件とは?
まず、2020年東京オリンピックの選手選考についてだが、男女共に20名ずつ。
国別で男女共に最大2名が参加出来る。
ジョン・ジョンはアメリカなので少し複雑になるが、簡単に説明すると残された道は2019年のCTランキングで10位以内に入り、なおかつアメリカ人で上位2名に入ることが条件。
カレントランキングではコロへ・アンディーノ、ジョン・ジョンがその2名だが、CTは残り5戦。
ジョン・ジョンが怪我で出場出来ない間に現在8位のケリー・スレーター(21,055ポイント)、12位のコナー・コフィン(17,365ポイント)、14位のセス・モニーツ(16,800ポイント)がジョン・ジョンを抜いてしまう可能性がある。
但し、冒頭でもお伝えした通り、すでに32,425ポイントあるジョン・ジョンは2018年の7位〜8位のポジションを得ている。
更に欠場しても1イベントで265ポイント加算されるルールがあるため、ジョン・ジョンが最終戦に参加しなくても年末には33,750ポイントを持っている計算。
カレントリーダーで33,845ポイントを稼いでいるコロへは別として、ジョン・ジョンがランキング10位以内、なおかつアメリカ人で上位2名に入ることは可能だし、最終戦に参加した場合は更にその可能性が高まることになる。
9月7日〜15日に宮崎・木崎浜で開催される『ISAワールドサーフィンゲームス』にはコロへ、ケリー、コナーがアメリカ代表として来日することが決定している。
ちなみに自宅でリハビリ中のジョン・ジョンは理学療法士からの最新の治療と一日8キロ〜16キロのパドルボードでのトレーニングが日課で、9月には趣味のセーリングで長い航海に出る予定。
目的地はハワイから1,000マイル南のパルミラ環礁。この場所のサンゴは白化しても復活する不思議な性質を持っており、科学者たちがこの現象を解明してハワイなどのサンゴ礁の白化が問題になっている場所に適用しようと考えている。
これに興味を持ち、サーフィンから離れている時間に世界をより良い方向にしようと今回の航海を楽しみにしているそうだ。
(空海)