日本人のウィメンズとして初めてのCT入りが目前に迫っている都筑有夢路が台湾で開催された18歳以下のジュニアの世界一を決めるWJCこと『World Junior Championships』で並み居る強豪を倒し続けて優勝。
日本人として初のWJCタイトルを獲得した。
都筑有夢路 ジュニア世界一の軌跡
WJCの出場選手は、オセアニア、アフリカ、ハワイ・タヒチ、ヨーロッパ、アジア、北米、南米と7つのリージョナルからその年のWSLジュニアのランキングで選出される。
現在18歳の都筑有夢路はQSの方ではアジアリージョナルのチャンピオンになったが、ジュニアには出場自体していなかったため、今回はワイルドカード枠での参加だった。
WJC自体にも初参加となった彼女はR1から他の選手を圧倒。
R1では2本の7ポイントを出してディフェンディングチャンピオン、アメリカのキラ・ピンカートン、今年の『2019年ISA世界ジュニアサーフィン選手権』、18歳以下ガールズで金メダルを獲得したハワイアンのガブリエラ・ブライアンに並ぶ勢いでラウンドアップ。
R3では激しいデットヒートの末に2位でラウンドアップを決めてQF進出。
QFでキラ・ピンカートン、SFでガブリエラ・ブライアン。優勝候補と立て続けに対戦して共に見事な逆転劇を披露してファイナル進出。
16歳ながらQSランキング10位、アメリカのアリッサ・スペンサーとのファイナルは序盤から主導権を握り、アリッサを寄せ付けずに優勝した。
「ワールドジュニアチャンピオンになれて嬉しいです。この結果は今まで頑張ってきた努力とみんなの応援があって出来たことだと思います。まだマウイの結果が分からないので、どうなるか(CT入りについて)分からないですけど、来年は間違いなく自分にとって大きな年になると思うし、今年も凄く自分にとって大事な年になって良かったと思います。思ったように練習は出来なかったですが、試合では自分のサーフィンを出来たことが嬉しかったです。今日は波が大きいのですが、トレーニングの成果が出たので、頑張ってきて良かったと思います。オリンピックは自分が出れるかまだ分からないのですが、もし出れたら自分のサーフィンを一番に見て欲しくて、金メダルを獲れるように頑張ります」
都筑有夢路
コーチの田中樹や、一緒に台湾入りした日本人選手と共に勝ち取ったこの勝利はCT入りが実現した後も彼女の大きな自信になるだろう。
そのCT入りの方はCT最終戦『lululemon Maui Pro』のブリッサ・ヘネシーの結果次第。
会場のマウイ島にはゴーサインが出されるようなウネリが入らず、すでにウェイティングピリオドも半分が過ぎている。
なお、今イベントでは日本を代表するジュニアで『2019年ISA世界ジュニアサーフィン選手権』にも参加してメダルを獲得した脇田紗良、安室丈が共に3位でフィニッシュ。
2020年東京オリンピックを前に日本人選手の強さが際立っていた。
メンズはブラジリアンが優勝
昨年、ブラジリアンのマテュース・ハーディが優勝したメンズはSFで安室丈を倒したルーカス・ヴィセンテが優勝。
WJCのタイトルは2年連続でブラジリアンが獲得した。
ファイナルではアメリカのケイド・マトソンが17.40と圧倒的なスコアでリード。ルーカスの夢は打ち砕かれたかのように見えたが、’ネバーギブアップ’の精神でまずは8.63を返すと終了間際にはバックサイドのエアーリバースとターンで8.93をスコアして見事に逆転。
ウィニングライドからビーチ凱旋まで感情を爆発させていた。
「長年の夢が叶ったよ。最高の気分さ。ファイナルもそうだけど、全てのヒートがバトルだったと感じたね。ハイスコアが2本必要だったファイナルでも最後まで諦めなかったさ。マテュースとは子供の頃から一緒にサーフィンしてきた親友。彼の翌年にタイトルをブラジルに持ち帰ることが出来たのは本当に嬉しいね。これで’俺が今の世界一だぜ!’なんて冗談を言える。この美しい場所で達成出来たことを誇りに思う。台湾は楽園だよ」
ルーカス・ヴィセンテ
『World Junior Championships』結果
メンズ
1位 ルーカス・ヴィセンテ(BRA)
2位 ケイド・マトソン(USA)
3位 ジャスティン・ビクレット(FRA)、安室丈(JPN)
ウィメンズ
1位 都筑有夢路(JPN)
2位 アリッサ・スペンサー(USA)
3位 ガブリエラ・ブライアン(HAW)、脇田紗良(JPN)
WSL公式サイト:http://www.worldsurfleague.com/
(空海)