「Weird Waves」シーズン2 未開の地ナイジェリアへ

先日スタートしたばかりの「Weird Waves」シーズン2。

エピソード1はアラスカで氷河&リバーサーフィン

VANSのライダー、フリーサーファーのディラン・グレイヴスがアラスカを舞台に「ターナゲイン・アーム」でのリバーサーフィンと世界でもここでしかないであろう氷河が崩れた時に生まれる波でのサーフィンにトライ。
シーズン1の時もそうだったが、波がある場所には独特のローカルコミュニティが存在していることを証明していた。

「Weird Waves」シーズン2 限定公開映像

ディラン・グレイヴス
via You Tube

「Weird Waves」シーズン2のエピソード2の公開の前に2019年12月に限定公開された特別映像が再度リリースされた。

今回の舞台は川でも湖でも氷河でもなく、海。
西アフリカ、人口1億人を超えるナイジェリア最大の都市ラゴス。
そして、テーマは「タイムトラベル」

ポルトガル語でラグーンという意味を持つラゴスはナイジェリアでも人口密度、失業率、犯罪件数が全てトップ。
つまり、非常に治安の悪い場所。

ビジターサーファーが興味本位で訪れるにはリスクがあり、過去にメディアに紹介された数は非常に少ない。
サーフスポットはラゴスの街から離れたギニア湾に面したライトのポイントブレイク。
アクセスは’ボートタクシー’を利用するアフリカ流。

ナイジェリア 唯一無二のサーフポイント

こんなハイクオリティの波がナイジェリアに存在していた
via You Tube

今回の案内人はジョン・ミシェレッティ。

ナイジェリア生まれ、イタリアンの血を引くジョンは釣り人だったが、外国人駐在員から壊れたサーフボードを貰い、サーフィンにハマった。
プロサーファー並みの実力を持つ彼は現在ナイジェリア政府と協力して子供達を育成。
ナイジェリアでのコンテスト開催、ISAにナイジェリア代表を送り込むことを目標としている。

ビジターがほとんどいないこの場所でのサーフィンは特殊。

決して状態が良くないサーフボードが約12本。
それを皆んなでシェアする。
ワックスさえも満足にないが、極上の波が存在する。

ロコキッズ
via You Tube

子供達はお互いを刺激しながら自由に波に乗り、友情を育む。
上手い下手に関わらず、皆んなが笑顔で波に乗る。
文明や交通手段が発展していない昔ならこんな場所も数多くあっただろうが、世界中どこに行ってもビジターの姿がある現在、ここと同じような場所を探すのは困難だろう。

今回の旅のパートナー、デーン・グダスカスがあるロコキッズと話す機会を得た。
彼は常にサーフィンのことを考え、特に何か問題事があった時は海に入りたくなる。
自国を代表するサーファーになりたいと話していた。

デーン曰く、ナイジェリアのサーフィンは始まったばかりで、これから一気にレベルアップするだろう。

最後にディランとデーンはプロサーファーらしくこの波で可能な全てのマニューバーを子供達の前で披露。
フィンファーストの妙技まで見せ、子供達はすぐにそれを真似する。
外からの情報が極端に少ないであろうナイジェリアのサーフィンコミュニティで二人のプロサーファーの訪問は大きな意味があっただろう。

経済的に恵まれないナイジェリアでスポーツとしてのサーフィンは他の国と違う意味を持つ。
サーフボードされあれば他に必要な物は少ないし、何より楽しく、自然を愛しながら成長することが出来る。
ただ生きることだけでも多くのハードルがあるこの国では、サーフィンが生きる希望を与える力にもなるのだ。

(黒本人志)

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