外出しづらく家で過ごす時間が長くなっている今、家でも楽しめるお気に入りのサーフィン動画を紹介。今回は米Surfer誌がYoutubeで公開している『Shed Sessions』シリーズの第1話。
カリフォルニア、サンディエゴにある広大な倉庫「Bird’s Shed」。ローカルのレジェンドサーファーエリック“Bird”ハフマンが40年ほど前から集め始めたサーフボードがフロア、壁、屋根裏にみっしり、その数は何と900近く。
古い物では1920年代から、シェープはロングボード、ニーボード、フィッシュやガン、ケリー・スレーター個人使用のボードなど様々。4年前に始まった米サーファー誌の企画『Shed Sessions』ではプロサーファーを招待して、900枚の中から好きなボードを選んで乗ってもらう。
企画初回ではサンクレメンテのグダスカス兄弟パット、デーンとタナーが登場。普段からテンションが高い3人だが、Bird’s Shedに入った途端そのテンションが急上昇。
「すごいミュージアムだね、ってよく言われるけど、ここは博物館ではなくライブラリーだ」とバード氏が説明。どのボードも飾るためではなく乗るためにあるのだと。
「ツインフィンに乗りたい」「初期のシングルに乗りたい」「あのケリー本人のボード、乗っていいのかな?」
グダスカス兄弟は大興奮だ。
3人は気に入ったボードを持ってトラッセルズへ。まず試乗したのはBob Mc Tavishのシングルフィン。「70年代初めのもの、長さはだいたい6’6”で幅が21”。厚みはあるので、太ももに堪えるよ!」とバード氏が解説。タナーもパットもものともせずすごいカービングを見せてくれる。
次のボードはAl Merrickシェープ。
「こいつは家宝だな。ケリーが最初のワールドタイトルを勝ち取った後にもらったやつだ。6’ で幅17と5/8”。厚さは2”ぐらいかな。まったく刃物のようだよ。」とバード氏。
三つ目はLance CollinsシェープのWave Toolsツイン。
「70年代半ばにはたくさんのツインを作った。これは初期のものだと思う。なぜならフィンのベースが広いから。テール付近にステップがあって、このボードが乗られていたニューポートビーチではそのステップがバーチカルなサーフィンを可能にしたのだ。」
ここでもグダスカス兄弟がテールスライドやかっこいいカービングを見せてくれる。
最後はバード氏が個人的なお気に入りの一つ、Nectar。
「おそらくWave Toolsより2~3年前に作られただろう。標準的なフィッシュだが、フィンがノーズより少し内側を向いていることで回転性を向上、初めてアップスでスピードをつけることを可能にしたんだ。」
歴史あるボードの解説とさすがのプロの乗りこなし。どのボードも楽しそうに乗っていて、プロだから乗りこなせているのか、それとも良いシェープはいつの時代でもよいシェープなのか結論は出ないが、サーフアクションがたっぷりで興味深い解説も付いたお勧めの一本だ。
(ケン・ロウズ)