サーフィン界においては、アジアの雄、いや南半球の雄と言っても過言ではないほど人気の高いサーフカントリーであるインドネシア。
トッププロからビギナーまで誰もが楽しめるだけのサーフエリアが豊富に揃っていることから、インドネシアに長期滞在するサーファーも少なくありません。
私も振り返ってみれば、昨年は年間で2か月はインドネシアに滞在していましたし。
なのですが、現在は新型コロナウイルスの影響から観光客がインドネシアに入国することは不可能となっています。
そこでインドネシアでの新型コロナウイルスの影響から、現状において発表されている今後のプランなどに関する情報をまとめてみます。
インドネシアにおける新型コロナウイルスの現状
他国と同じく、4月前半から新型コロナウイルス感染防止策として、大規模社会制限を行っていたインドネシア。
ところが、新型コロナの猛威はまだ第一波のピークに達しておらず、新規感染者数のグラフを見ると今なお右肩上がりとなっていて、6月10には過去最多となる新規感染者数1,241人を記録しています。
社会制限を掛けたにも関わらずウイルス蔓延を食い止めることができなかったものの、経済への影響を考えて社会制限の緩和が6月初旬からスタート。
ちなみに、インドネシアの感染者数は6月11日時点において35,295人で、東南アジアでは最多数となります(感染者の半数以上は首都ジャカルタの位置するジャワ島に集中)。
インドネシア国内のサーフィン事情
インドネシアにおけるビーチ閉鎖やサーフィン禁止はエリアによって異なり、特に人口の多いエリアでは規制が掛けられていた印象があります。
人口が多いという事で真っ先に頭に浮かぶのはバリ島で、バリ島では3月終わり頃からビーチが閉鎖されました。
6月に入ってからバリ島のサーフエリアをカバーする自治体が一部のビーチでサーフィン解禁を発表し、最近になりSNSでバリ島のサーフィン映像も目に付くようになってきています。
バリ島以外では、サーフィンに関する制限のなかったエリアも多々あったようですが、意外なことに人里離れたメンタワイ諸島はサーフィン禁止になっていたと言います。
そんなインドネシアですが、政府がサーフィン禁止を6月20日に解除すると発表したそうです。
制限のなかったエリアもあったことを考えると、政府がサーフィン解禁を発表したことには少し違和感を感じますが、とにもかくにもメンタワイではサーフリゾートも再オープンになるそうです。
現状においては、メンタワイを訪れることができるのはインドネシア人とインドネシアに滞在している外国人のみ。
ただし、メンタワイへと移動するには抗体検査の結果が求められ、同検査結果が有効となるのは3日間のみだそうです。
観光地バリ島の経済状況
バリ島における主要な産業となっているのは、外国人観光客をターゲットとした観光業。
国として海外からの外国人観光客の受け入れを基本的に拒否している現在は、多くのバリ島住民が経済的に大打撃を受けています。
外国人観光客がいないということは、一切仕事が発生しないことを意味するので、お金を稼ぐ手段が絶たれているからです。
そこでローカルの苦境をよく知る外国人移住者たちが、クラウドファンディングなどを活用して救済プロジェクトを行っています。
海外観光客受け入れの見通し
観光業で成り立っているバリ島ということで、現状において求められることは海外観光客の受け入れ態勢を整え、事実上の入国拒否を解禁すること。
そこで感染拡大最中の5月中旬、早くもバリ島の観光長官が観光に関するプランを発表しています。
同プランによると、新型コロナの第二波などがないことを前提として、10月に外国人観光客の受け入れを再開予定だそうです。
受け入れ再開にあたり、今後はこれまで以上の衛生面と安全面を確保するべく、ハイスタンダードとなる新たなガイドラインを事業者に課すとのこと。
ただし、このプランに関してはあくまでもバリ島によるものであり、外国人の入国を許可することになれば政府の判断が第一となります。
つまり、あくまでもバリ島による青写真ではあるものの、観光地としてのバリ島の存在意義は政府も十分に理解しているはずなので、どのような対応を取るのか注目が集まります。
参照記事:Indonesia To Lift Surfing Ban Starting June 20|World Surf League
参照記事:How Bali plans to reopen to tourists from October|Lonely Planet