ローラ・マコーレー、ローラ・エネバー、カリッサ・ムーア、キャロライン・マークス、ヴァヒネ・フィエロ。彼女たちは、世界で最もヘビー級のスラブ波に挑戦する現代の女性トップサーファーたちだ。
最近では、西オーストラリアの最恐サーフスポットとも言われているザ・ライトにローラ・マコーレーが女性として初めてチャージした様子は、ABCオーストラリアのニュースで取り上げられた。
また、ローラ・エネバーがシップスターンやザ・ライトにチャレンジする姿を追ったドキュメンタリー「Undone」も公開され、ビッグウェーブへ挑戦する女性たちへの注目は年々高まっている。
「ノースショアのビッブウェーブでサーフィンをしている時、知らない誰かが私を見て、チャンネルを指差して言ったのです。“さぁパドルして、君の番だよ”って。私は迫り来る最大級のセットのピークに向かってパドルして…結果お気に入りのボードを折ってしまったのだけど、すぐにまた挑戦したいと思いました。彼の言葉が駆り立てた私の決意と衝動は、今でも忘れられないのです。」
と語るのは、元プロサーファーでIPSの設立と女性ディビジョンの創設に携わり、現在はWomen Making Wavesの運営やジャーナリストとして活躍するパティ・パニッチャ。
60年代には、初めてパイプラインをサーフした女性と言われるジョイス・ホフマンは、パティやレル・サン、ベッキー・ベンソン、ジェリコ・ポプラーなど、70年代を代表する女性サーファーが活躍できる場を作った。
そして90年代になると、レイン・ビーチリーやカーラ・ケネリーのようなサーフアイコンが、クラウドブレークやチョープーのような難しいビッグウェーブに挑んでおり、2011年Code Redの中で行われていたビラボン・プロ・タヒチの最中、過去最大級のスウェルに挑んだケアラのパフォーマンスは伝説となっている。
男女を問わず、このようなスラブ波に挑戦するサーファーは少ない。普通なら6フィートのJベイの波に1日中乗っていたいと思うだろう。
しかし、未知の領域への挑戦に心を踊らせる彼女たちは、いつもリスクと隣り合わせだが、もたらしている恩恵もとてつもなく大きい。彼女達が限界をプッシュして命がけの挑戦をすることで、スポーツとしてのサーフィン全体の可能性を引き延ばしているのだ。
(THE SURF NEWS編集部)