ミニシモンズとツインフィンの新しいトレンド
シリーズ「おいらはサーファーの味方」No. 41
ツインフィンの特徴といえばワイドな幅と大きな二枚のフィンですが、その究極的なデザインがミニシモンズです。
ミニシモンズは、どのタイプのツインフィンより横幅が広くそして短い。特大のキールフィンがテールエンドぎりぎりに装着され、テール幅もあまり絞られることなく、スクゥエアー系のテールがほとんどです。
ミニシモンズは「シモンズ」と呼ばれる50年代の木製サーフボードをヒントにデザインされました。その元祖シモンズはプレーニング(滑走)性能を考慮してデザインされていて、その理論を受け継いだのがミニシモンズです。
したがってミニシモンズは短いわりにテイクオフが驚くほど早く、スピードも得やすいのです。しかし不安定なために、大きなキールフィンをテールエンドぎりぎりのところに装着して安定を図ってあります。
ミニシモンズの乗り味はかなり個性的です。幅があって短いですから、普通のサーフボードに乗っているフィーリングとは異なります。例えていうならば、コンベンショナルなショートボードが二輪のモトクロッサーだとすれば、ミニシモンズは四輪のレーシングカートです。ターンをするときにはサーフボードを意識的に傾け、レールを生かしてターンする感覚が求められます。
個人的な印象としては、昔流行ったゼンマイしかけのおもちゃ「チョロキュー」を運転しているような気分です。ホイールベースが短くかつクイックに走ります。ですからミニシモンズの個性を楽しみたければ、できるだけ短いボードがお勧めです。長くなればなるほどその個性は薄れてしまうでしょう。
ツインフィンの新しいトレンド
ツインフィンはこれまでスモールウェイブ用と考えられてきました。その理由は、安定性を得るためのセンターフィンが無いためです。だから、あえて不安定なツインフィンでビッグウェーブをサーフする必要を誰も感じませんでした。
しかしフィンの数が増えればそれだけ抵抗が増します。例えば、トライフィンはサイドとセンターフィンに水が流れるときにコンフリクト(対立)によるドラッグが発生します。
そこで新しいトレンドとして考えられたのがチャンネルボトムとツインフィンのコンビネーションです。センターフィンの代わりにチャンネルボトムで安定性を得られるようにデザインされています。このコンセプトはサーファー、トーレン・マーチンとシェイパー、サイモン・ジョーンズによるコラボレーションが火付け役となり。すでにYouTubeなどで映像が公開されて注目を浴びています。
まとめ
さてツインフィンは揚力を得るために、サーフボードの幅を広げたデザインだといえます。テールの幅が広いために揚力が向上しテイクオフが早い。しかしテールの幅が広いと、シングルフィンではボードを傾けたときにフィンアウトしてしまうために、両サイドに二枚のフィンを取り付けたのがツインフィンの始まりです。
過去のデザインとされてきたツインフィンですが、トライフィンでサーフィンを始めた世代には、新鮮な乗り味があります。新しいフィンセットアップとして、これからますます人気が高まりそうです。
(李リョウ)