スケートボードを知らない人でも、サーファーならトニー・アルバの名前は一度は聞いたことがあるだろう。
伝説のスケートボードチーム「Z-BOYS」の中心人物であり、今でも影響力が大きいアルバ。
過去に単調なスポーツだったスケートボードを、現在のような自由奔放な形に進化させた初期のキーパーソンの一人である。
コンクリートを波に変えた男
1957年にカリフォルニアのサンタモニカで生まれたアルバは10歳の頃にサーフィンとスケートボードを始めた。
それはアメリカの社会が大きく変化していた頃でもあった。
1972年、カリフォルニアのベニスビーチ周辺、ドックタウンと呼ばれるスラム街でサーフショップ「ZEPHYR」を営んでいたジェフ・ホーが「Z-BOYS」を結成。
アルバを始め、ジェイ・アダムス、ステイシー・ペラルタなどのメンバーがそれまでのスタイルを一新させるスケートボードの乗り方を生み出し、強烈なカルチャーを誕生させた。
スケートボードとサーフィンが融合した「Z-BOYS」はコンクリートを波に変えたのだ。
そんなアルバのドキュメンタリーを彼の長年のスポンサーでもあるVansが公開した。
サンタモニカでの幼少期、「Z-BOYS」時代。
薬物使用の暗黒期を乗り越え、63歳にして現役のプロスケートボーダーでもあるアルバは世界中のあらゆる世代のスケートボーダーに希望とインスピレーションを与えている。
なお、このドキュメンタリーは今年3月に51歳で亡くなったジェフ・グロッソに捧げられている。
(黒本人志)