10月16日、千葉鴨川のマルキポイントにて行われていた、日本プロサーフィン連盟(JPSA)の特別戦『さわかみチャレンジシリーズ鴨川』が終了。
特別戦として行われた今大会は、通常のシード選手枠がなく全ての選手がラウンド1から出場。新鮮なヒート組で序盤から見どころも多く、各カテゴリのファイナルでは様々なドラマが展開された。
初日12日から13日にかけて行われたロングボードでは、塚本将也と吉川広夏が優勝。14日から16日のショートボードでは、西慶司郎と脇田紗良が優勝した。
ロングは吉川広夏&塚本将也が優勝
13日に行われたロングボードファイナル。台風14号が熱帯低気圧に変わり、前日より腰~胸程度にサイズダウン。
QFの第1ヒートで戦い、二人揃ってラウンドアップした吉川広夏と田岡なつみ。SFでは吉川広夏が松本望希を、田岡なつみが大村結衣をそれぞれ破り、二人揃ってファイナルに進出した。
田岡が5点台を立て続けにスコアしてヒートをリードするも、残り5分で吉川がハングファイブ、ハングテンのコンビネーションで6.25をスコアして逆転。そのまま吉川が逃げ切りこの大会を制した。
その後のメンズファイナルでは、QFで浜瀬海、SFでは前ヒートで秋本祥平を破った西崎公彦を倒した塚本将也と、昨年のグランドチャンピオン井上鷹が対戦。
塚本がヒート前半に5.50をスコアしてリードするも、井上はコンパクトなチューブを抜け5.35で逆転。しかし、その直後に二人が同じ波にテイクオフして接触し、井上のプライオリティ・インタフェアがコールされる。塚本はトータル10.60をスコアした時点で井上は逆転不可能となり、塚本の優勝が決まった。
ショートは脇田紗良&西慶司郎が優勝
14日からは3日間にわたりショートボードの試合が行われた。途中、波は腰~胸程度にサイズダウンし、頻繁に風向きが変わるなど難しい時間帯も多かったが、16日には再び胸~肩程度となりファイナルデーを迎えた。
ウィメンズのSFで、地元鴨川のベテラン庵原美穂を破った松田詩野と、川合美乃里を破った脇田紗良がファイナルに進出。同い年で、ISA世界戦や世界ジュニアにも同じ日本代表として出場している2人の対戦。
ヒート序盤に、脇田が1マニューバーで6.00をスコアしリードする展開が続くが、中盤には松田が5点台を先に2本そろえて一時逆転。しかし4分半で、脇田がプライオリティを活用してサイズのあるレフトの波を取り、ノートリムの3マニューバーで大会ハイエストの9.50をメイク。そのまま逃げ切りこの大会を制した。
メンズは、SF第1ヒートで西優司との兄弟対決を制した西慶司郎と、第2ヒートで金沢呂偉を倒した大原洋人がファイナルに進出。
ヒート前半に大原が5.33と4.57の2本をまとめたがその後スコアが伸びず、後半に5点台を2本立て続けにだした西慶司郎が逆転勝利。2017年のJPSA志田のファイナルを争って負けた大原は「3年前のリベンジ」と挑んだが、西が再び優勝の座を勝ち取った。
▼TSNオリジナル ショートボードハイライト動画
Movie: Kenji Iida
今年は新型コロナウイルスの影響で国内外殆どの試合が中止となり、多くの選手にとって半年以上ぶりの試合。選手同士が顔を合わせるのも久々となり、コロナ禍の間にそれぞれが積んだ練習の成果を見せあう場ともなった。
今月末10月31日からは、一宮の志田下で「第2回ジャパンオープンオブサーフィン」が開催される。来年5月にエルサルバドルで開催される五輪選考会「ISAワールドサーフィンゲームス」に日本代表として出場する男女各1名の枠を争って、各選手は優勝の座を狙う。引き続き日本のトッププロたちの争いに目が離せない。
JPSAジャパンプロサーフィンツアー2020
ショートボード・ロングボード特別戦
さわかみチャレンジシリーズ 鴨川
ショートボード男子結果
優勝:西慶司郎
2位:大原洋人
3位:西 優司、金沢呂偉
ショートボード女子結果
優勝:脇田紗良
2位:松田詩野
3位:庵原美穂、川合美乃里
ロングボード男子結果
優勝:塚本将也
2位:井上 鷹
3位:西崎公彦、鈴木 剛
ロングボード女子結果
優勝:吉川広夏
2位:田岡なつみ
3位:大村結衣、松本望希
(THE SURF NEWS編集部)