2020年11月からハワイで開幕予定の2021年CTシーズンのプレイベント、WSLカウントダウン。
8月のカリフォルニア・サーフランチで開催された『Rumble at the Ranch』からスタート。
10月までにオーストラリア2戦、ブラジル、ヨーロッパ2戦と全6戦行われた。
ヨーロッパとオーストラリアは複数イベントによるシリーズ戦となり、フランス、ポルトガルで開催されたユーロカップ・オブ・サーフィンではジョアン・ディファイ&イタロ・フェレイラがシリーズチャンピオンの座を手に入れた。
オーストラリアは豪グランドスラムの名でストラディ、キャバリタ、マーガレットリバーの3戦が組まれていたが、マーガレットリバーはキャンセルされ、ストラディの『Boost Mobile Pro Gold Coast』、キャバリタの『Tweed Coast Pro』の2戦の結果により、シリーズチャンピオンが決定。
WSLカウントダウンの主旨でもある賞金を寄付する慈善団体も明らかにされた。
ウィメンズはイザベラ・ニコルスが獲得
豪グランドスラムのタイトル、ウィメンズは10月6日〜7日にサウス・ストラドブローク島、通称「ストラディ」で開催された『Boost Mobile Pro Gold Coast』で優勝したイザベラ・ニコルスが獲得。
イザベラは9月13日〜14日にキャバリタで開催された『Tweed Coast Pro』こそ早いラウンドで敗退したものの、ポイント差から『Tweed Coast Pro』で優勝した2xワールドチャンピオン、タイラー・ライトに僅差で勝利した。
CTルーキーでもあるイザベラは賞金の20,000ドルを12歳〜25歳で癌になった若者を支援する団体「キャンティーン・オーストラリア」に寄付した。
「キャンティーンが支援している若者を見てきたけど、100%投資して喜びをもたらしている。ガンの影響を受けた若者に力を与え、彼らが一人ではないと認識させることが非常に素晴らしいと思うの。今回の勝利が重要な意義を持つことに純粋に興奮している。自分が選んだチャリティーのためにサーフィンして勝てばポジティブな変化を起こせる。このWSLカウントダウンシリーズが推進していることは、とても素晴らしい取り組みだと思う。個人のスポーツではなく、チームスポーツのようにも感じたわ」
イザベラ・ニコルス
今回の寄付を受けて「キャンティーン・オーストラリア」の資金調達担当ゼネラル・マネージャー、ジョン・フリードサムは以下の声明を公表している。
「彼女が豪グランドスラムのタイトルを獲得したことに感激しています。彼女は癌と診断を受けた若者達を最上級の旅に連れてきてくれたような気がします。これ以上の誇りはありません。彼女の才能、技術、運動能力に加え、寛大な精神。そして、キャンティーンへの深い支援と繋がりに刺激を受け続けています。彼女の素晴らしい勝利によって、2万ドルの資金を受け取ることが出来て光栄です。この資金はオンラインプラットフォームを通じたカウンセリング、支援の需要増加に対応するために使用します。コロナ禍になり、83%もログイン数が増加しているのです」
メンズはタイでマイキーとイーサンが獲得
メンズは『Tweed Coast Pro』で優勝したCT返り咲き組みのイーサン・ユーイング、『Boost Mobile Pro Gold Coast』で優勝したマイキー・ライトがタイで豪グランドスラムのタイトルを獲得。
賞金の20,000ドルは二人で分け合う形となり、マイキーは10,000ドルを非営利団体「クライ・プレスクール・アボリジニ・コーポレーション」に寄付すると発表した。
「寄付先をクライ・プレスクール・アボリジニ・コーポレーションに選んだ理由は、コフスハーバーが数年過ごしてきた場所だからさ。愛犬の’ベーコン’と一緒に散歩に行った時、子供達は’ベーコン’を可愛がってくれて、自分がいない時に世話を頼んだこともあったよ。シリーズで優勝出来た気分は最高だし、賞金が良いことに使われるのも嬉しいね。子供達のために何が出来るか、今から楽しみだよ」
マイキー・ライト
マイキーが寄付先に選んだ「クライ・プレスクール・アボリジニ・コーポレーション」はNSW州のコフスハーバー地域の3歳から5歳までのアボリジニの子供100人に幼児教育プログラムを提供、子供達の自立や、文化の徹底、学業面の成功を指導する団体。
そのディレクターを務めるジュリー・キャリーは以下のコメントを公表している。
「マイキーはクライ地域の重要な一員であり、子供達にインスピレーションを与えてくれる。学校を休んでいた間も地域全体がマイキーを応援していたよ。それこそ画面に’釘付け’だったさ。今回の多額な寄付金は子供達の学習や発達を支援する教材の購入に充てられる。また、子供達がアボリジニの家庭での学習環境から通常の教育システムに移行する際の支援にもなる。WSLの支援と寛大な寄付に心から感謝します」
メンズのもう一人の勝者、イーサン・ユーイングは賞金の10,000ドルを海の環境を守る非営利団体「テイク3・フォー・ザ・シー」に寄付すると発表。
「テイク3・フォー・ザ・シーは素晴らしい組織なので、少しでも役に立てて嬉しいね。海の汚染は世界的な問題であり、自然環境の中で競技を行なっているサーファーとして直接的な影響もある。テイク3・フォー・ザ・シーは海のプラスティックや、その他の汚染物質の量を減らすために活動をしている。それを支援するには完璧な非営利団体だと感じているよ」
イーサン・ユーイング
「テイク3・フォー・ザ・シーに寄付してくれたイーサンに感謝したい。私達はこのシリーズを見ていて、イーサンのパフォーマンスに圧倒されていたんだ。この10,000ドルで私達の教育プログラムとクリーンアップの拡大を支援し、プラスティック汚染から海を守るよ」
テイク3・フォー・ザ・シーCEO サラ・ビアード
コロナ禍でWSLや選手自体も大変な状況の中、少しでも世の中のためになることを選んだWSLの今回の行動。
11月のハワイから開幕する予定の2021年シーズの詳細もそろそろ明らかになる頃。
ニュースが入り次第、お伝えします!
WSL公式サイト:http://www.worldsurfleague.com/
(空海)