F+(エフプラス)
今シーズンに限りなのか、コロナ去るまでなのか、とにかく、現状では開催会場の波質をあれこれ問うている場合でもなく、それはドリームツアーであっても例外ではなさそうで、オーストラリアレッグ4試合のうちのNSW州で決まったニューキャッスル、ナラビーンは、通常なら波質が基準に満たない、という理由でCT開催が難しいと思われる場所だ。そして恐らくそういう判断でコロナ前まではいつもQSが行われていた会場である。
NSW州としてはサーフィンでQLD州のゴールドコーストのように観光強化したいのはやまやまだし、お金もあるんだけど波がアウトで、QSに甘んじる、みたいな焦燥感があったと思う。州をまたいでの移動の制限を考えれば、飛行機が下りるシドニー、NSW州は都合がよく、その中でドリームツアークオリティの波を探すとなると、州の北端に近いレノックスヘッドとなるが、ここはローカルコミュニティの理解が得られずにアウト。で、ニューキャッスル、ナラビーン、ということになったようだ。まぁ、久しぶりのあの人たちのビーチブレイクのしょうもない波でのサーフィンが見れる、って感じかね。ナラビーン、ダミアン・ハードマンのホームブレイク、最後にCTあったのはたぶんコナー・オレアリーが生まれてすぐの時だったと思う。小野里美之の応援でコナーママと行っていて、キャラバンパークでコナーがビービー泣いてた。そんなコナーも今度は選手で、って光陰矢の如し。
さて、その辺含むミックとロスのディベート第5回
1:レノックスが落ちたことで、誰が損したか
ロスは「サーファーみんな。レノックスはハイクオリティのポイントブレイクだからいいサーフィンが見れただろうし、波がないときのバックアップ用のポイントもたくさんあるから」と。
ミックは「ジャイ・グリンダーマンやマイキー・マドンナなんかのアップカマーが残念がってると思う。レノックスに住んでるオウエン・ライトやコナー・オレアリーなんかも残念だろうね。 エリアを盛り上げたり観光にもいい影響を与えたんだろうけど……ただ最近あのエリアではシャークアタックも多い」という指摘。
まぁ、ワイルドカードとか、ホームブレイクでCTサーファーを見れるという意味ではその影響は絶大なので、レノックスエリアの若手はだいぶ損したかもな。でもレノックスでCTというのはもともと計画に無理があるような気がする。ローカルキッツイし。期間はたった2週間かもしれないけど、そのあと続く各種影響を考えると、ローカルの反対というのはもっともな気もする。
2:こんな状況の年のCTツアー、ワールドタイトルを決めるのに最低何試合必要だと思うか。
ミックは「7-8試合。5試合では少なすぎるように思う。2001年のテロの時にCJは5試合でワールドチャンピオンになったけど、CJ自身も勝った気がしないと言っていた」そうだ。
ロスはその意見に反対。「こんな年だから何試合でも成立すると。4-5試合やって、ロウワーで最終決戦。どのみち最後はロウワー1試合だから、その過程はできるだけやれれば何試合でもいいと思う」との意見。
私はとにかくロウワー1試合で決めちゃうのにはノーかな。そこまでに5試合あるなら、ロウワー最終戦で6試合でツアーの体裁にはなるんじゃないだろうか。
ま、同じアメリカならサンタクルーズもプールもあるから、全8試合って、十分かな。
3:メンズのワールドタイトルは近年アメリカ、ブラジルに持っていかれてる。オーストラリアとしてはいまだにジュリアン・ウイルソンが最もタイトルに近い男なんだろうか?
ロスは「もうイーサン・ユーイングやジャック・ロビンソンにその座を奪われていると考える。ジュリアンはある意味、タイトルを取れないまま長くツアーにいすぎたように感じる」と厳しい。
ミックは「いまだにジュリアンだ。10年以上ツアーにいて、さまざまな場所の様々なタイプの波で優勝している。ここ1、2年が勝負の年だ。イーサンはまだ結果にアップダウンがありすぎるし、ジャックはスモールウエイブの克服にあと数年はかかるだろう」という。
私はう~ん、ジュリアンはもう難しいかな、と思う。2019年だったかな、取れそうな勢いだった時に取れなかった時点で厳しいな、って感じがした。タイトルを取るにはミックみたいに1年間ずっと全集中継続、みたいなことじゃないと取れない。そういう意味ではイーサンもジャックもまだまだ。タイトルがオーストラリアに帰るのはまだ先かな、と思う。
4:CT選手を出すためには、サーファーをコンペ志向にするには何が必要か。
ミックは「プロジュニアは有効だった」という。「格上の選手と戦って勝てればそれが自信になり、次のステージのQSで自信をもってやれる。ブラジルでは国内のツアーが充実していて、ワールドツアーよりお金が稼げるって聞いたことがある。そういうことも大事なんだと思う」と。
ロスは「ソーシャルメディア上でそれがクールなことだって認識されることが大事、ポップカルチャーが重要だ」と。「今のところ、ジェイミー・オブライエンやデーン・レイノルズみたいにツアーから離れたところにいるけどソーシャルメディア上ではヒーロー扱いで、そこを目指すサーファーも多い。でもジョンジョンがタイトルを取って、若いサーファーたちがコンペに流れてきたのも事実。アメリカでは何がクールかをソーシャルメディア上で訴求する必要がある」という。
まぁ、確かにケリーの登場からコンペ一辺倒だったものが、ビッグウエイブとかフリーサーフィンで動画アップとか、そっちにもコマ取られてる感はあるよね。でもミックは、「フリーサーフィンで身を立てていくのはそれはそれは大変なんだ。彼らはものすごい努力をしている。そして、フリーサーファーとしてやっていこうとする人がいなくなることはない。デーン・レイノルズみたいにただ試合が嫌い、って人は必ずいるから」と笑った。これには私も笑った、デーン、まさにそうだし(笑)。