サーフィンの世界における男女平等の流れが一気に加速しているここ数年。
CTの会場はほぼ同じになったし、WSLのコンテストの賞金が同額にもなった。
最近ではハワイでサーフィンにおける男女公平が条例化され、パイプラインでウィメンズCTが開催され、デジタル形式のトリプルクラウンでは10年ぶりにウィメンズ枠が設けられた。
ビッグウェーブの世界でもジョーズやナザレでウィメンズイベントが開催されるなど、その門は確実に開き始めており、今シーズンは「Red Bull」がウィメンズオンリーの映像形式のコンテスト『Red Bull Magnitude』を開催。
2020年12月1日〜2021年2月28日の期間にハワイでの15ft以上のビッグウェーブ。
オアフ島のワイメアベイ、アウターリーフ、マウイ島のジョーズなどで条件が揃った時に撮影クルーが入り、更に個人のクルーが撮影した映像でもOKという条件で行われた。
ジャッジはカイ・レニー、マーク・ヒーリー、ベティ・デポリート、ロッシェル・バラード。
総合優勝25,000ドルは2019年に松岡慧斗が日本人として初めて獲得した『O`NEILL WAVE OF THE WINTER』と同額。
つまり、映像形式のコンテストでは最高峰だと言える。
その『Red Bull Magnitude』の初代チャンピオンが今週発表。
名誉を手にしたのは12月と2月にオアフ島のアウターリーフ、2月にマウイ島のジョーズでビッグスウェルをメイクしたKKことケアラ・ケネリーだ。
「12月1日から期間が始まり、12月2日に巨大なウネリが入ったのは幸運だった。勢い良くスタートできたのは最高だったわ。この最初のスウェルで今シーズン最高の波を得ることができたし、好調な滑り出しだった。
その後、小さなスウェルがあり、1月16日に’スーパースウェルサタデー’と呼ばれる巨大なウネリが入った時は凄い悩んだわ。
ジョーズはトーインオンリーで風が強い予報。ここ10年で最大のトーイン向けのスウェルになるだろうと思った。
一方、オアフ島のアウターリーフのコンディションが凄い良くなるだろうと言われていたからね。
悩んだ結果、マウイ島に飛ぶことにしたのよ。
翌朝はまだパドルセッションで少しバンピーだった。
エアードロップは上手くいったけど、バランスを崩してしまい、更にコブに引っかかってワイプアウトしたの。
この冬の最高の一本になるだろうと思った波だったので残念だったわ」
ケアラ・ケネリー
カウアイ島出身のKKは現在42歳。
コンテストはWSLのBWTをメインに回り、2018/2019にはワールドタイトルを獲得。
CTではタヒチ、フィジーなどでワイルドカード出場の経験もある。
フリーサーフィンの世界でもチョープーの限られたサーファーしか入れないような特別なセッションに参加して映像を残している。
『Red Bull Magnitude』優勝の決め手となったケアラ・ケネリーのアウターリーフでのライディング映像(2:21〜)
「今年は間違いなく節目の年だった。
この10年間で最大級のXXLスウェルがあったことだけでなく、レッドブルが女性のビッグウェーブイベントを開催したことも、今年を特別なものにしたわ。
マグニチュードは女性にプラットフォームを与え、私たちが必要としている不足しているリソースを提供する素晴らしいコンセプトよ。
コンテストが開催される。つまり、ビッグスウェルが入った時に撮影者やジェットスキーの安全管理チームが私たちのために尽力してくれることで、女性ビッグウェーブサーファーは自信を持って自分の限界に挑戦することができる。
更に映像を残すことでプロフィールを高めるだけでなく、見直して学ぶことができるのよ」
ケアラ・ケネリー
なお、KKは最も大きな波に乗ったサーファーに贈られる「Biggest Wave」で5,000ドルの賞金も獲得。
2位はマカニ・エイドリック。
ベストライド賞はワイメアベイで映像を残したエミリ・エリクソン。
共に5,000ドルの賞金を獲得した。
『Red Bull Magnitude』結果
総合優勝:ケアラ・ケネリー
2位:マカニ・エイドリック
Biggest Wave:ケアラ・ケネリー
Best Ride:エミリ・エリクソン
(空海)