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「2014年タヒチ戦でケリー対ジョンジョンの結果は逆だった?!」 – F+

F+(エフプラス)

ニューキャッスルのほうは大物コケまくりのブラジル強しで着々と進み、やはり男女とも少しいつもとは違うかな、と思う。イタロとカリッサ。う~ん、個人的にはイタロよりガブのサーフィンのほうが好きなので、残念感あるかな。技術的な差を考えるとガブにもっと点出てもいいと思うし。逆にカリッサは何でもハイナイン、ってぐらい出まくりだった。でも女子の中ではカリッサひとつ頭抜けてる感じ。QFのエアリバはご愛嬌というか、偶然うまく跳ね返ってラッキー。

次のナラビーンもたぶんブラジル強しなんだろうと思う。ロウワーのファイナルズ5人のうち3人ブラジル、ガブ、イタロ、フィリッペはすでに確定と言っても過言ではないかも。残り2枠のうちひとつはジョン様とすると、あとひとりコールじゃん。あっとひっとり、あっとひっとり……(笑)。

イースターといえばベルズだったので、ベルズの友人からどうしてる?という電話があって、ひとっきり話をした。コロナのおかげでもう何回もリスケになっていたポーリン・メンツァーの50歳のバースデーパーティが当時の女子プロファーたちを集めて華々しくというか、騒がしくだったろうな、と思うんだけど、行われたらしい。どうだった? と聞くと、誰ひとりとして昔と変わらない、と言って笑った。あの女子サーフィン創成期の人たちはノリがけっこう特有で、ハメの外しぶりというか、まぁ、しょうもなく、そして楽しい時代だった。女子が男らしく振舞っていた時代(笑)。

まぁ、その彼女たちを描いたGirls Can’t Surfという映画が今オーストラリアで上映されていて、ポーリンはそこに出ている人たちの年代で、昔一緒に旅をした仲間。今のベルズの友人もポーリンのつてで知り合ったので、彼女は私のキャリアのキーパーソンのひとりといえる。

ポーリンは1988年のワールドアマ優勝、1993年にワールドタイトルを取っていて、キャリアとしてはすごいのだけど、臭いものは臭い、と言っちゃう性格が災いしてか、金銭的、スポンサー的にはいつも恵まれなかったように思う。映画のこともあって今になってようやくリップカールからお声がかかって、いろいろ助けてくれそうらしい。めでたしめでたし。

実際あの時代の女子はASPにとってはお荷物的な目で見られていたことも確かで、今なら役員全員辞職レベルのジェンダー不平等問題多発だったからね。この映画の時代背景、どうして女子が今のように地位をあげたかは私すべてインサイダーとしてリアルタイムで見てるので、超詳しい。使い道のない知識だけど(笑)。

ではロスミックのディベート第11回と12回をまとめっていっちゃおうかな。すでに終わった試合のこととか、カットできる部分あるので。

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1:ラウンドワンではどのヒートがすごそうか

こちらはもう終わってるのでパス。

2:過去のオーストラリアでの10点満点でどれがベストか

ミックは2017年ノースポイントでのシーバス(セバスチャン・ズィーツ)のテイクオフから最後までバレル、の1本。「最高の10点満点の条件は、本人やジャッジだけでなく、ビーチの誰が見てもあれは10点、という10点がいいし、それを出したいと思う」といった。

ロスは2015年のゴールドコーストのファイナル、ジュリアン・ウイルソンとフィリッペ・トリードのファイナルでのフィリッペの10点。「ジュリアンのプライオリティで、フィリッペに行かせた波だけど、GC特有の最初は何でもないけどどんどんできてくる波で、すごいサーフィンだった」と。

うーん、フィリッペのはよく覚えてるし、今見てもこれ10点なんだぁ、と思うけど、あのGCではどのラウンドでもフィリッペにすごく点が高く出てたように記憶している。よって、他と比べるとあれには10点出さざるを得ない、というスケールだったのかな、と。

3:物議をかもしたヒートで結果は逆だったんじゃないかと思うものは?

ロスは2014年のタヒチでのケリー対ジョンジョンのセミをあげた。「オープニングがケリー10点、ジョンジョン9.90だったけど、ケリーのは偶然ハイラインに行っちゃったのをなんとかコントロールしたバレル、ジョンのほうがコントロールできていたと思うので、このオープニングの配点が逆。ラストライドもヒートで一番長いバレルだったけど、9.88必要だったところを9.87でタイ、カウントバックでケリーの10点が効いてケリーの勝ちだったけど、全体的にジョンのほうがいいサーフィンだった」と言うと、ミックは「ジャッジから見るとケリーのほうが難しそうに見えたんだと思う。今のようにサイドからのビューがあればまた違うかもしれないけど、当時はジャッジタワーからのビューがすべてだし、実際は難しいんだけど、ジョンジョンのは簡単にやってるように見えるから」と。

ロスは「そこがイヤ。ジョンジョンのほうが難しいことをやってるんだから、リワードされるべき。その辺は元選手とかジャッジに入れると解消されるのかも」と。

いやぁ、サイドから見るとあのハイラインからどうコントロールして出てくるのか、と思っちゃうけどね。偶然といえば偶然でもあるし、彼らも話しているように、ケリーの異常なバランス感覚で何でもないことをすごいことに見せる感じ、ってのもわかるし……。あくまでジャッジからどう見えるか、ということで評価するミックは、さすがだな、という感じ。サーフィンの試合というのはそういうゲームだ。ジャッジ目線を征したものが試合を征する。

4:ルールブックでもし何かひとつ変えられるなら何を変えるか

ミックは「最初のプライオリティを裏か表かのコイントスで決める。コイントスのエキサイティングな感じを加えたい」と。それにはロスも賛成。そしてロスは「メンズ30、ウイメンズ14とか、少し選手の数を減らしてヒート数も減らし、試合全体にかかる時間を短くする」。

この記事を見た人のコメントでは、もっと長く見たいって人もいたし、ロスはメジャーなスポンサーに試合を売りたいのか、って人もいた。まさにそこ。今WSLが目指しているのはサーフィンのメジャースポーツコンテンツ化。そこ行くとなると確かに1試合12日間で実際にやるのは4日とか5日とかっていう今のフォーマットは致命的。


次、第12回。この回は最初のマット・バンティングのサーフィンに対してのミックの分析とサジェストが秀逸。

1:足首を痛めたコロヘの変わりに急きょ出場したマット・バンティング。彼はこのチャンスに活躍できるか。

ロスは「急に決まったことだから前々からナーバスにならずに済んだし、ニューキャッスルの波は彼に合ってる。QSでもいい感じだし、前のCTの時はまだ若すぎた。今は年齢的にもいいし活躍を期待している。トレーニングして筋肉をけるにもいい時期だ」と。

ミックは「ビーチブレイクのQSではいい成績だけど、もう少し欲しいと思うのはレールサーフィン。ビッグエアーもビッグターンもするけど、その間に失速する部分がある。そこでレールが使えればCTレベル。ターンとターンの間に休みを入れてタイミングを取るような部分にレールを使ったカービングを入れればフローが途切れずつながる」と。

これねぇ、ものすごくレベルの高い話してるんですよ。CTとQSサーフィンの差はまさにそこ。レール使って加速しながら次のビッグターンにスピードを持っていく。世界最速と言われたミックのスピードは、このつなぎの加速にある。これね、すごく難しい。間走っちゃって加速は誰でもできるんだけど、そうじゃないのよ。

2:ライアン・カリナンが自分のベストライドをSNSにあげるのは試合でそれを期待されちゃうからあまり好きじゃないと言ってたけど、ベストライドをアップするのはプラスかマイナスか?

ミックは「特にマイナス点はないと思う。最近はみんな試合でのサーフィンがベストサーフィンでもあるから」。

ロスは「考えすぎじゃないかって思う。ゼッケンつけたらSNSのことなんて考えないし、それはチームが考えること。ジョンジョンもガブもコーチのほかにSNSのためのメディアスタッフがいる。例えば隔離期間中のイタロのトレーニング風景とかは、マシンみたいですごかった。あれを見たらイタロの身体能力はハンパないって思うし、ジャッジだって人間だから、見たらそれは刷り込まれちゃう。結果もしかしたら無意識に0.1とかポイントが高くなるかもしれないし、その0.1は勝敗に影響する」と、SNSの影響力はうまく使ったほうがいい派。

3:どこが世界一のサーフタウンか?

これはまぁ、愚問かね。当然ロスはハレイワ、ミックはクーランガッタ。まぁ、ホームタウンで譲れないってところか。

どちらも歴史、人、店、波、ワールドチャンピオンの数など、エンドレスな自慢勝負。

4:アスリートやアーティストが政治的なことや問題について主張することに関して。

PHOTO:© WSL/ Dubar

ミックは「いいと思うけど、まずその問題をよく調べてからのほうがいい」と。

ロスは「確かにそれは必要。今の時代、何かを主張すればその反対側にたくさんの人がいることを考えなくてはならない。黙っていろとは言わないけど、主張することのリスクは考えたほうがいい」と。

F+編集長つのだゆき

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