ワールドサーフリーグ(WSL)は、4月22日の「アースデイ」を祝い、WSLの非営利組織であり海洋保護の推進や啓発活動の実践を目指す「WSL PURE」の助成プログラム受賞者を発表した。
世界の海を保護するためのWSLのキャンペーン「We Are One Ocean」を支持するハワイ、ブラジル、南アフリカ、カリフォルニアの非営利団体4つが助成対象として選ばれた。
「WSL PUREの助成プログラムは、WSLが世界中のイベント開催地のコミュニティとのつながりを深められるためにとても重要です。助成対象団体の素晴らしい活動を支援できることを嬉しく思います。私たちは、世界の海を保護するために、世界レベルと草の根レベルの両方で働き、特に世界の海の担い手となる若者に投資します」とWSL PURE事務局のエミリー・ホファーは述べている。
選ばれた各団体の活動目的と助成金の使い道を簡単に紹介する。
■Mālama Pūpūkea-Waimea(ハワイ)
コミュニティ管理の活性化、教育、パートナーシップを通じて、ププケアとワイメアの自然および文化的資源を補充および維持に取り組んでいる。助成金は、奉仕活動、教育、在来種の植栽、地域社会が関与する管理計画の実施を通じて、ププケア海洋生物保護区へ脅威に対処するために使用される。
■SOS Mata Atlântica(ブラジル)
沿岸の森林を保護するために社会を鼓舞するために活動している団体。助成金は、ブラジルの大西洋岸森林に沿って、マングローブ、砂丘、サンゴ礁などを保護するための行動を起こすよう、地方の自治体やコミュニティに働きかける意識向上キャンペーンへ資金を提供する。
■WILDOCEANS(南アフリカ)
地球の健康を守るため、環境変動のショックから速やかに回復する力と人類と自然のバランスを強化する機会を創出するために活動している。アフリカの海洋保護に対する意識を高め、アクションを起こせるイノベーティブな若者を巻き込むための、アフリカンオーシャンユースサミットのオンライン開催を計画している。
■WILDCOAST(カリフォルニア)
沿岸および海洋の生態系を保護し、自然の解決策を通じて気候変動に対処することを目的としている団体。助成金は、クミアイ族、チュマシュ族、ユロク族、その他のカリフォルニア部族や、サービスの行き届いていない公園の貧しいコミュニティの若者たちに、海洋管理を学ぶ場を提供する。
なお、WSL等が主導する「We Are One Ocean」の「30×30」は、今年予定されている国連会議で、2030年までに公海を含む世界の海洋の少なくとも30%を保護することを採択するよう世界各国の首脳へ呼びかけるため、サーファーたちに嘆願書への署名を呼びかけており、多数のCTサーファーたちも署名している。
ただ、漁業を全面的に禁止するとなれば漁師たちが職を失い食糧もとれなくなる可能性もあるとして、一部ではキャンペーン一時中断の声もあがっている。
このような問題は1か0かではなく、様々なステークホルダーが納得しあえるよう対話を続けていくことが重要だろう。これらの取り組みや活動をきっかけに、海洋保護のために自分が出来ることを考えていきたい。
(THE SURF NEWS編集部)