コロナ禍の2020年12月にスタートしたワールドサーフリーグ(WSL)による2021年シーズンのサーフィンのチャンピオンシップツアー(CT)。
CT初戦会場となったのは米国ハワイ州で、メンズはオアフ島、ウイメンズはマウイ島で開催となったのですが、このツアー初戦にて問題が発生することに。
その問題とは、サーフィンコンテストは競技場といった閉鎖された空間ではなく、公共の場で開催されるものの、ギャラリーが集まりすぎて密が発生したのです。
基本的にWSLはファンに対してオンライン観戦をするように訴えていたのですが、日本の東京マラソンや箱根駅伝で沿道に集まったギャラリー同様、要請ベースでコントロールすることは限りなく不可能に近いです。
全てのサーフィンコンテストを開催禁止していたハワイ
そこでハワイ州政府が出した答えがサーフィンコンテストの開催禁止という厳しい措置で、予定されていたオアフ島でのCT第2戦などもキャンセルに追い込まれました。
このハワイにおけるサーフィンコンテスト禁止令は、最もギャラリーが集まるCTイベントだけではなく、全てのサーフィンコンテストを対象としていたとか。
コンテストが開催できないと困るのが、国内チャンピオンシップなどのリージョナルの選考イベントも開催できないので、アメリカ国内レベルのイベントにハワイアンサーファーが出場できなくなります。
そこで2カ月ほど前にハワイサーフィン連盟のカヘア・ハートがオンラインで「Let Hawaii Kids Compete To Go To USA Surfing Championships」というキャンペーンを立ち上げました。
同キャンペーンは、6月に開催されるUSAサーフィンチャンピオンシップにハワイアンキッズが出場できるよう、少なくとも6月までに1つのコンテストを開催する許可を得たいという内容でした。
このムーブメントに米国上院議員のブライアン・シャーツやプロサーファーのイアン・ウォルシュが賛同してロビー活動が行わるようになり、イアンは自身のSNSで「LET THE KIDS SURF!(子供たちにサーフィンをさせよう)」と呼び掛けています。
6月1日からコンテスト解禁
こういった嘆願を経て、ついにハワイ州では6月1日からサーフィンコンテスト禁止令が解除されることになります。
今回の解除に関して、最も大きなきっかけと言えるのが米国でハイスピードで進行している新型コロナワクチン接種でしょう。
現時点において、全世界で必要回数のワクチン接種が完了した割合は5.4%であるのに対し、アメリカではすでに40.7%に達しています。
少しずつではあるものの、コロナ禍以前の状態に戻っていくことは嬉しい事であり、今なお緊急事態宣言下の日本での進展も期待したいところです。
参照記事「Hawaii lifts outdoor mask mandate, surfing competitions to resume June 1」
参照記事「Hawaii Governor’s ban on surf events holds up permits for keiki competitions」