2021年シーズンが始まるまで無名に近かったモーガン・シビリックの活躍はCTファンならご存知の通り。
同じオーストラリア出身で同世代のジャック・ロビンソンの存在さえも霞んでしまうような成績を重ね、シーズン折り返し地点でランキング5位とルーキー・オブ・ザ・イヤーを飛び越えてワールドタイトルさえも狙えるポジションにいる。
最初に活躍した『リップカール ニューキャッスルカップ』はローカルナレッジを活かした結果と言われ、次の『リップカール ノースナラビーン クラシック』ではビーチブレイクだからという正当化の声が聞かれたが、誰もが初めてサーフィンするロットネスト島での『リップカール ロットネスト サーチ』の2位は彼の実力が本物だったことを証明させた。
それもジョン・ジョン・フローレンス、ジュリアン・ウィルソンという大物に対して対戦成績2-0は大きな意味がある。
モーガンと過去に活躍した4名のビッグルーキーと比較してみた。
ボビー・マルティネス
カリフォルニア・サンタバーバラ出身のグーフィーフッター、ボビー・マルティネスは2006年のルーキーイヤーにタヒチとムンダカで優勝。
一時はランキング2位になり、ケリー、アンディ、ミック、パーコなどとワールドタイトルを争い、ランキング5位でシーズンを終えた。
その後もクローズスタンスのスタイリッシュなサーフィンでツアーの中心人物になったが、度重なるフォーマットの変更に嫌気が差し、2011年のNYで暴言を吐いて引退した。
モーガンとボビーの違い?
ボビーよりも明らかに優等生な点だろう。
ジュリアン・ウィルソン
2011年にCT入りを果たす前にすでにワイルドカードで何度も出場をしてQuiksilverからの期待度の高さを感じさせていたジュリアン・ウィルソン。
「Quiksilver Young Guns」「Scratching the Surface」とサーフムービーにも出演して最初からスター性も十分だった。
ルーキーイヤーは2位と3位に入り、ランキング9位。
モーガンとは最初の売り出し方が全く違う。
「スシロール」なんていう派手なエアリアルもやらないだろう。
ガブリエル・メディナ
ガブリエル・メディナはデビューから強烈だった。
ルーキーイヤーは17歳。
その年のフランス戦でケリー・スレーター、テイラー・ノックスに圧勝して、ファイナルでジュリアン・ウィルソンを倒して優勝した。
更に同じ年のサーチイベントでジョエル・パーキンソンを倒して2勝目。
最終戦のパイプラインでは5位に入った。
過去にガブリエルほど圧倒的な強さを誇ったルーキーはいなかったと言われる。
それはケリーも含めてだ。
怪物のような扱いをされているガブリエルと比較するのは気の毒だろう。
ジョン・ジョン・フローレンス
ハワイの神童としてもてはやされたジョン・ジョンはガブリエルとも違う特別な存在。
ガブリエル同様に比べるのは酷だ。
2012年のルーキーイヤーでも期待を裏切ることなく、ブラジル戦で早くも優勝。
フォーマットの変換期で微妙な点もあるが、ガブリエルとルーキー・オブ・ザ・イヤーを争ってジョン・ジョンが勝ち取った。
2021年のメンズルーキーはモーガンの他、オーストラリアのジャック・ロビンソン、南アフリカのマシュー・マクギリヴレイのみ。
すでに成績は二人に大きな差をつけており、ルーキー・オブ・ザ・イヤーの獲得はほぼ手中に収めている。
それどころか、トップ5に入り、「Rip Curl WSL Finals」でワールドタイトルを争う可能性も十分にある。
もし、モーガンがルーキーでワールドタイトルを獲得することになれば、誰とも比較出来ない唯一無二の存在になる。
6月18日にサーフランチで開催されるCT第6戦『Jeep Surf Ranch Pro』はツアーの中でも特殊な一戦。
真価が問われる舞台でもある。
参考記事:How Does Morgan Cibilic’s Run This Year Compare To Past Rookies On The CT?
(空海)