サッカーのワールドカップ開催になると必ずや話題となる「ブックメーカー」。
ブックメーカーとはいわゆるスポーツギャンブル(スポーツベッティング)の胴元であり、サッカーならば各チームの過去の戦歴から配当率(オッズ)を提示し、プレイヤーが試合の勝敗を予想して賭け(ベット)、その結果によって予想を的中させたプレイヤーにオッズに応じて配当金を配るというもの。
ブックメーカーのルーツはヨーロッパにあり、1790年代にイギリスの競馬場で行われたのが始まりと言われています。
日本にも競馬やサッカーくじなど公営ギャンブルはありますが、欧米のブックメーカーは政府公認の民間企業が運営していて、還元率(プレイヤーに払い戻される割合)が日本のサッカーくじの約50%に比べ、ブックメーカーの還元率は一般的に90%以上と高い点が大きく異なります。
ブックメーカーがサーフィン界にも参入
そんなブックメーカーがここ最近ではアメリカでも盛り上がっていて、スポーツメディアとブックメーカーによる関連コンテンツが展開されています。
そんな流れはサーフィン界にも届き、今週開催予定となっている『サーフランチプロ』では大手ブックメーカーのドラフトキングスと手を組むことになったと発表。
サーフランチプロはトライアルといった感じなのかエントリー費は無料でありながら、予想が当たれば1,000ドル獲得の可能性があります。
ただし、ドラフトキング社が日本では運営していないのでサポートできないということから、日本のIPアドレスからはアクセスできないので日本在住者は参加できませんが。
サーフランチプロの賭けの対象
サーフランチプロでの賭け方は、単に勝ち負けを予想するのではなく少し凝った内容になっています。
スタブ誌に掲載されている具体的な質問内容は以下となります(予想は主に「Yes」と「No」の2択)。
*メンズのイベントファイナルでパーフェクト10がスコアされるか?
*ウイメンズのイベントファイナルでパーフェクト10がスコアされるか?
*メンズのイベントファイナルで最高点となるのはライトとレフトのどちらか?
*ウイメンズのイベントファイナルで最高点となるのはライトとレフトのどちらか?
*ウイメンズのイベントファイナルで最高点となるライディングにエアリアルのメイクは含まれるか?
*メンズとウイメンズのどちらのイベント優勝者のシングルハイエストスコアの方が高いか?
*セミファイナルのリーダーボードでトップに立ったメンズサーファーはイベント優勝に至るか?
*セミファイナルのリーダーボードでトップに立ったウイメンズサーファーはイベント優勝に至るか?
*メンズ優勝者はどの国のサーファーか?(選択肢は「アメリカ」、「オーストラリア」、「ブラジル」、「その他」の4択)
*ウイメンズ優勝者はどの国のサーファーか?
*メンズファイナルで最高点となるライディング構成は?(「バレル」、「エアリアル」、「ターンのみ」、「全て」の4択)
*ウイメンズファイナルで最高点となるライディング構成は?
上記12問に回答し、おそらく最も回答率が高い方に賞金が贈られることになるのでしょう。
WSLがスポーツギャンブルと手を結んだ理由
ワールドツアー運営団体がWSLへと名称変更して以来、明言していることの一つがサーフィンをメジャースポーツへと押し上げる点。
その大いなる一歩となるのがオリンピック競技として初参加となる東京五輪です。
このような五輪目前という重要な節目においてスポーツギャンブルとのタイアップは、日本人感覚からすれば少しネガティブな印象を持たれるかもしれません。
ですが、個人的な印象としてはアメリカ人は意にも介さないと思います。日本におけるギャンブルより還元率が高いこともあってか、WSLとしてはより注目を集めて視聴数を稼ぐための手段の一つに過ぎないといった程度の認識だと思いますし。
サーフランチプロの結果によっては、今後更にサーフィンの試合にブックメーカーが参入するといった可能性もありそうです。
何はともあれ、日本からは参加できませんが、個人的に予想してからイベント観戦するのも面白いかもしれません。