ガブリエルがワイプアウトした瞬間、フィリッペの勝利が確定した。そこからもう大祝賀会がスタート PHOTO: THE SURF NEWS / Steve Sherman

スティーブ・シャーマンが捉えるCTイベントの舞台裏「Surf Ranch Pro」TSN撮り下ろしフォトリポート

6月18日から20日にかけて、カリフォルニア内陸部にあるケリー・スレーターのウェーブプール「サーフランチ」で3度目となるCTイベント『Surf Ranch Pro』が開催された。

サーフランチで初の一般公開イベントとなった2018年の『Founders’ Cup of Surfing』に続き、WSLの選手たちを長年撮り続けてきたカメラマンSteve Shermanが、THE SURF NEWSのために撮り下ろした舞台裏写真と取材手記をお届け。


「最初のラウンドを見て、僕はそのサーフィンのレベルの上がり方に驚いた」

PHOTO: THE SURF NEWS / Steve Sherman

イエローリーダージャージをつけて、ファイナルに向けて集中するガブリエル・メディーナ。彼はそれまでのリムーアのサーフィンをガラリと変えてハイリスクなマニューバーを繰り出し、ハードルを次のレベルに引き上げた。

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ファイナルの波の間にボートランプに戻ってくるフィリッペ。彼が乗ってたシャープアイのボードはダークアートカーボングラッシングのクアッド。すごく調子よさそうだった。ファイナルでの彼のサーフィンはネクストレベルだった。

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ガブリエルの奥さんで、彼のナンバーワンファンのヤスミン。ファイナルヒート中のリアクションもご覧の通り。

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最初のラウンドから、女子ではジョアンヌ・デファイは抜きんでていた。プールの波に対する彼女のアプローチは注目すべきもので、彼女のファイナルまでの途切れない体力にも脱帽。

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ワールドチャンピオンのイタロ・フェレイラはこのリムーアでもいい成績で、9月にロウワーで行われるWSLファイナルズへの参加権をほぼ確実なものにしたといえる。

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ツアーのトップカップル、ガブリエルとヤスミンは本当にアツアツの新婚夫婦って感じ。

「コロナ禍で1年半も取材に出られなくて、久しぶりにみんなに会うことができて嬉しかった」

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パートナーでコーチのサイモンとジョアンヌ・デファイ。カリッサとのファイナルに向かうところ。

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同じフロリダ出身のケリーの話を聞くキャロライン・マークス。ケリーは自分の乗った波を身振り手振りで生き生きと表現していた。

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仲良しのジョアンヌ・デファイとタチアナ・ウエストン・ウェブがシャープアイの広告撮影で見せてくれたジャンプセッション。ラウンドの間の長い待ち時間を使ってフォトセッションしたんだ。

「昔買ったハチマキを古典的なカノアのポートレイトのために温存しておいた」

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何年か前に東京に行ったときにこのヘアバンド(ハチマキ)を買ったんだ。それからずっとこういう古典的なカノア五十嵐のポートレイトのために温存してた。

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オリンピック日本代表のカノア五十嵐。シャープアイのウエイブプール用のクイーバーはダークアートマジックカーペット。魔法のじゅうたん。

「ケリーともずいぶん長い付き合いになるけど、いつだってフォトセッションに応じてくれる」

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仲のいい友人のケリーのポートレイトを撮影するのは実に楽しい。ケリーともずいぶん長い付き合いになるけど、いつだってクイックフォトセッションには応じてくれる。これは10年前、彼の11度目のワールドタイトルの時に僕が撮ったポートレイトにトリビュートしてくれたもの。ちょいと指が違うけど(笑)

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ヒート後に愛犬のアクションから熱烈なキスをもらうケリー。

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会場を去るケリー。久しぶりの試合だったけど素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた。

「最前線を取材するには彼を味方につけないと始まらない」

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WSLのセキュリティチームのトップはこのバーン・ペイジ。最前線を取材するには彼を味方につけないと始まらない。彼が僕の命運を握ってるんだ。

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僕の昔の仕事仲間、クリス・コーテイ。今回はWSLのライブコメンテイターを務めていて、ユーモアとインサイド情報をファンに届けてくれた。

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これは、ケリーの家のトイレで撮影した僕のセルフポートレイト(笑)

◆取材後記全文◆

6月20日、僕の家のあるカーディフを早朝4時に出て、ファイナルデーのリムーア、俗にいうケリーのプールに向かった。WSLの「Jeep Surf Ranch Pro presented by Adobe」のファイナルデーを取材するためだ。

このプールに取材に行くのは5回目で、実は一度だけ、この波に3本乗ったことがある。僕みたいな素人にはとても速いと感じる波で、わずかなミスも許されない波といえる。ちょっとでもタイミングを間違えたら即ワイプアウト。でもうまくいくと超超ロングライドで、僕みたいなオジサンサーファーは脚が持たない。つまり、結局みんなみたいに上手には乗れない、ってことだ。

コロナ禍のカリフォルニアで1年半も取材に出られなくて、久しぶりのWSLの試合だった。またみんなに会うことができてとても嬉しかったし、みんなも久しぶりに僕に会うのを喜んでくれた。

その日の最初のラウンドを見て、僕はそのサーフィンのレベルの上がり方に驚いた。もうまったくもってサーフィンとスケートボードが融合した感じ。僕はスケートボードの写真も撮るので、特にその印象を強く感じた。そして、ガブリエルとフィリッペのサーフィンは明らかにずば抜けていた。ふたりともファイナルではだいぶ疲れが見えてて、気力で体力勝負に勝った感じのフィリッペが優勝した。

All Photos and Text by Steve Sherman


Steve Sherman

1963年、米国インディアナ州生まれ。10歳で家族とともにカリフォルニア・サンディエゴに移住、12歳でサーフィンを始めた。中学のフォトグラフィーの授業の課題として地元のスケートボードコンテストを撮りはじめた。これまでに『Transworld  Skateboarding Magazine』『Surfing Magazine』などでキャリアを重ねており、現在はWorld Surf Leagueのフォトグラファーとしても活躍中。選手達の素顔を捉えた「Behind The Curtain」をはじめとする舞台裏ポートレートシリーズで知られる。 

(THE SURF NEWS編集部)

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