サーフィンが史上初五輪競技となる東京オリンピックが遂に開催。サーフィン競技には世界各国男女各20名の選手が出場する。
史上初の五輪サーフィン金メダリストとなるのは誰か?五輪ならではの見どころを徹底解説!
メダル獲得の期待がかかる日本代表「波乗りジャパン」
日本代表「波乗りジャパン」は五十嵐カノア、大原洋人、都筑有夢路、前田マヒナの4名。
五輪会場の志田下をホームブレイクとしている大原洋人が、代表選手の誰よりも五輪会場の波を熟知しており、アドバンテージがあると言える。
メダルの期待に対するプレッシャーも相当なものと予想されるが、2015年に『Vans US Open of Surfing』という大舞台での優勝経験があるので、それほど心配はないのでは?
代表の中では現在チャンピオンシップツアー(CT)ランキング6位の五十嵐カノアが大舞台での試合経験が最も豊富。
代表に選ばれている他のCT選手との戦い方も熟知している上に技術的にもメダル獲得が期待出来る。
女子の都筑有夢路はここ数年のビッグイベントで優勝を重ねて今シーズンは補欠選手としてCTにも出場して最高5位に入っている。
前田マヒナも『第2回ジャパンオープンオブサーフィン』で優勝して『2021 ISAワールドサーフィンゲームス』で五輪切符を獲得するなど勢いがあり、共に代表に選ばれているCT選手を倒す実力もある。
海外強豪選手
五輪会場の志田下はビーチブレイクのために男子は’エアリアル’が勝負の鍵となることが予想される。
2019年に宮崎で開催された『ISAワールドサーフィンゲームス』でも強かったイタロ・フェレイラ、ガブリエル・メディナのブラジル代表が海外選手では大本命と言えるだろう。
また、静岡での公開練習で久々に元気な姿を見せたアメリカ(ハワイ)代表のジョン・ジョン・フローレンスも一度スイッチが入れば誰も止められないポテンシャルがある。
同じくアメリカ代表のコロヘ・アンディーノもその安定的なパフォーマンスに定評がある。
ジョンジョン、コロヘ共に心配されていたケガの具合も問題は無さそうだ。
女子はジョン・ジョンと同じハワイ出身のアメリカ代表、カリッサ・ムーアが大本命。
ハワイ育ちながら長いCTキャリアでビーチブレイクの戦いは完璧な上、今シーズンのCTでの飛び抜けた成績を見れば彼女のサーフィンのピークが’今’であることが分かる。
但し、フランス代表のジョアン・ディファイ、オーストラリア代表のサリー・フィッツギボンズ、ステファニー・ギルモア、ブラジル代表のタティアナ・ウェストン-ウェブなどCTランク上位の選手が勢揃いしているため、女子は蓋を開けないと分からないと言えるだろう。
参加選手の多様性
18カ国のサーファーが参加する今回の東京五輪。
イスラエル、エクアドル、ドイツ、チリ、モロッコ、アルゼンチンなど日本ではサーフィン国としての知名度が高くない国の選手も多数参加する。
もちろん、全ての選手が強豪ではあるのだが、ISAでは以前から南米、中米の選手が強い傾向にあり、今回の選手の中では男子のルッカ・メシナス、ミグエル・トゥデラ、マヌエル・セルマン、レアンドロ・ウスナ。
女子はダニエラ・ロサス、レイラニ・マクゴナグル、ソフィア・ムラノヴィッチ、ドミニッチ・バロナなどが要注意選手。
特にソフィアは2004年に南米出身者初となるワールドチャンピオンに輝き、CT経験も豊富。更に宮崎で開催された2019年の『ISAワールドサーフィンゲームス』で優勝するなど最年長選手ながらダークホースの一人に挙げられる。
また、インドネシア代表の和井田理央は満を辞しての大舞台。
未来のCT選手としてSTABマガジンがフィーチャーするなど他国のメディアでも注目度が高い選手。
エアリアルも得意なのに加え、現在予想されている台風の進路次第ではチューブ勝負になる志田下の戦いにも勝算はある。
選手達の使用ボードとギア
五輪の定める「Rule50」により、選手達が使用するサーフボードやウェットスーツ等のギアは、メーカーの1ロゴを除き原則スポンサーのロゴ等は貼れないことになっているが、その代わりに趣向を凝らす選手も多いようだ。選手達がどのようなギアを揃えて来るのかにも注目すると面白さが一段と広がるはず。
五輪ならではの会場設備
残念ながら無観客となってしまった東京五輪だが、競技会場には突堤上に設置されたスクリーンや、普段より大きなプライオリティボードなど、通常のサーフィン大会とは異なる設備も用意される。
コンペファンなら尚更、テレビ映像や報道写真に映り込む設備にも注目すると、サーフィンがオリンピックの舞台で行われているということを実感する一幕もあるかもしれない。
表彰式
史上初の五輪サーフィン金メダリストが誕生する「東京2020五輪」の表彰式。「五輪には魔物が住んでいる」と言われるくらい何が起こるか分からないのがオリンピックだ。数々のプレッシャーを乗り越えてその栄光を手にするのは誰か。
(THE SURF NEWS編集部)