7月12日、東京五輪サーフィン日本代表「波乗りジャパン」メンバーが、静岡県牧之原市の静波海岸近くにこのたび完成したウェイブプール「静波サーフスタジアム」で事前合宿を行い、その様子を報道陣に公開した。
合宿には、大原洋人、前田マヒナ、都筑有夢路の3名と、宗像富次郎監督、大野修聖チームキャプテン、Wade Sharpコーチが参加。まだ日本に入国していない五十嵐カノアは不参加となった。ここでの合宿は12日から13日の2日間にかけて行われる。
「静波サーフスタジアム」では、日本初上陸のAmerican Wave Machines社の造波装置「PerfectSwell」を採用し、プールの大きさは長さ150m、幅50m、水深最大6mで、水量は6000トン。
アメリカ・テキサス州のBSRサーフリゾートや、ニュージャージー州のアメリカンドリームなどで既に導入されている同造波装置に比べ、波を生成するソフトウェアプログラムがアップデートされ、機械部分がパワーアップ。プールのサイズは小さいが、より大きな波が生成出来、技術的には高さ2.1mまで出力できる。
波の種類は現時点で67種類の生成可能で、今後更に調整を行い85~100パターンに増えるという。波には、高さのある「ハイボール」や、大きなバレルとエアーセクションのある「ウェッジポップ」、美しく長いばれる「ドレイナー」など独自の名前が付けられている。
12日の公開練習では、レギュラー、グーフィー、エアー、バレル等を含む6~7パターンの波が生成され、サイズはムネ〜頭オーバー程度。1回に2~3本の波が連続することもあったが、基本的には1本乗ったらしばらく時間をおいてもう1本出力されることが多かった。波の生成頻度については、今後一般公開に向けてどの程度調整されていくかに注目だ。
練習後の囲み取材で、大原洋人は「まずプールに慣れることを意識しました。普段の海とはちょっと違うのでアジャストが難しかった」と感想をコメント。
七夕の日に入籍したことについて尋ねられると「プロポーズの言葉は”結婚してください”。家族が増え、守るものが出来たのは今までになかった感覚。五輪ではどんな結果になっても一番かっこよかったと言われるサーフィンを見せたい」と気持ちを新たにした。
また五輪の無観客開催については「こういう状況なので仕方ない。強いて言うなら1回戦からテレビで中継してほしいです!」と報道陣に訴えた。
前田マヒナは「今日は初めてのウェイブプールだったので練習というよりは楽しみにしてました。千葉の波ではスピードとタイミングが大事。ウェイブプールでは同じ波だけど、その波に対してタイミングを合わせる練習をしていきたい」とコメント。
五輪観戦のためハワイから来日中の母について、「(無観客になったのは)残念。だから次のパリオリンピックまで頑張ります!」と笑顔で誓った。
サーフランチでのCTに参戦し、先日帰国後隔離を終えた都筑有夢路は「隔離明けに海でサーフィンして、全然身体が動かず板も合わなかったけど、今は4~5日経って調子も上がってきてコンディションも問題ない」とコメント。
合宿については「一宮で早いリップをしていきたいと思い、その反復練習をするつもりだったけど、初めてのプールだったので今日は楽しいという気持ちの方が大きかった」と素直な感想を述べた。
波乗りジャパンメンバーは、合宿終了後は五輪会場付近で本番に向けて調整を行う。また、この「静波サーフスタジアム」では、7月16日から20日にかけて詳細不透明なもののアメリカ代表も合宿を行う予定となっている。
Movie: Kenji Iida / THE SURF NEWS
(THE SURF NEWS編集部)