ーーー2020年東京オリンピックはウェイブプールで開催される可能性が高い。
豪サーフメディアStab Magazineは、11月4日にそう報じた。
開催まであと3年足らずとなる東京オリンピック、このサーフィン競技会場は千葉県釣ケ崎海岸(志田下)に決定。
これは昨年冬、IOC(国際オリンピック委員会)の理事会で正式決定され、多くのマスメディアを通じて発表された事実ではあるが、同誌の見解は異なる。その理由は大きく2つ。
1つは、WSLの関係者が日本を訪れ、東京近郊でウェイブプールの建設に向いた場所の偵察を行ったこと。
WSLの親会社であるWSLホールディングスが『Kelly Slater Wave Company』を買収したことも鑑みると、日本にもLemooreスタイルのプールを建設しようとしているのではないだろうか。(もちろん、オリンピックとは関係なく、単に商業目的での建設も考えられる。ただし、2つ目の理由を聞くまでは・・・)
2つ目の理由は、最近カリフォルニアLemooreにあるケリー・スレーターのプールを訪れた人物と、プールのエンジニアリーダーとのチャットだ。
そのエンジニアとのチャットの内容はこうだ。
「私たちのメインクライアントの一つが、プールに関していくつかの要求をしてきた。とりわけ、クリーンな波の持続時間に対しての要求が強かった。それは、とある重要な大会に備えるためだと・・・」
USAサーフチームがWavegardenの施設「The Cove」を訪れ大興奮した映像。
このチャットの内容を確かめるため、Stabの記者エドワードは、ISAの会長であり2020年東京オリンピックサーフィン種目のスポークスマンであるFernando Aguerre(フェルナンド・アギーレ)に連絡を取った。一度は断られたものの、ある大学でのNSSA(米・全国学生サーフィン協会)によるイベントで遭遇し、インタビューを決行。
Stab記者からの「WSLは東京にウェイブプールが建設可能な土地を探しているのか?」という問いかけは、否定しなかった。
「IOCが、2020年オリンピックにウェイブプールを利用したがっているのは知っているか?」との問いかけに関しては、「現時点では、オリンピックのサーフィン種目は海で実施することが公式に決まっているが、もしIOCや日本が望む場合は、ウェイブプールでの開催もあり得る」とコメントした。
同誌は、これらの情報を元に、真相を突き止めるためWSLにメールを送付。しかし、WSLからの返信はなし。
これらの真偽は定かではないが、WSLからの回答のなさ加減から、東京オリンピックはウェイブプールで開催される可能性が高いというのが、Stab誌の見解だ。あなたはこのニュースをどう捉えるだろうか。
ケリーのウェイブプール「サーフランチ」のクオリティの高さは実証済み。
同記事に掲載されていたオリンピック関連の情報も紹介する。エドワード記者が上記インタビューとは別の機会に、フェルナンド会長から聞いたもので、正式決定事項ではないとのこと。
参加国は未定、出場選手は男性20名と女性20名、
代表選手は1カ国3名まで(男女別)、選抜条件はWSLランキング、ISAイベント結果、コーチによる推薦など
さらにオリンピックのルールにより、オリンピック出場選手はサーフボード等によるスポンサーの露出(ステッカーなど)は不可。
東京オリンピック会場は、既に千葉・志田下に決定。これは周知の事実ではあるが、今回報じられた内容によりまた目が離せなくなったオリンピックのサーフィン動向。
翻って、ウェイブプールへの賛否両論は分かれるところ。
自然の海で、自然の波に乗ってこそがサーフィンか。それではサーフィンを競技スポーツとして捉えた場合はどうか。波や天候に左右されない日程、観客やチケット収入などの課題、そして選手のパフォーマンスや育成はどうか。
オリンピックは世界最大のスポーツの祭典であり、ビジネスが(つまり世の中が)動くシーンでもある。2020東京オリンピックに向け、その会場はもとより今後は様々な課題をクリアしながら新たな歴史が作られるのだろう。
確実に言えることは、私たちはサーフィンの歴史における岐路に立っているということ。
THE SURF NEWSでは、これからもオリンピックやウェイブプールの最新動向をお伝えしていきます。
情報元:Stab Magazine:Breaking: The Olympics Will (Most Likely) Be Held In A Wavepool