CTサーファーの中でもステファニー・ギルモアのように普段から好んでツインフィンのフィッシュを乗るサーファーはいるが、ミック・ファニンングにおいてはそのイメージが全くない。
しかし、ツアーを引退してから彼の思考は変わり、パンデミックの最中、自らのソフトボードのブランド『MFソフトボード』で募集した「Global Shaper Challenge」では熊谷充功氏の削ったツインフィンのフィッシュ「Kuma Fish」を見事に操り、そのボードデザインを最も優秀として商品化。
更に最近ではFCSの「H4 Twin」と名付けたツインフィンプロジェクトに参加している。
「見た目からして普通のフィンではないよね。しかし、大きなベースによってドライブを実現して初速度も増すんだ。そして、このゴルフクラブのような先端部がスピードとドライブを生み出す。ターンの最後の10%を保持することができるので、スピンアウトすることもないんだ」
ミックはこの「H4 Twin」をMRことマーク・リチャーズのレトロフィッシュだけではなく、ライアン・バーチの変わったボード、普段から使用しているDHDのレギュラーボードや、シェイパーのダレンが「H4 Twin」に合わせてデザインしたボードなど様々なボードでテスト。
ミックが乗れば何でも同じでは?
と斜めに見てしまう方。
一般サーファーでもシングルフィン、ツインフィン、スラスターの違いは体感できるし、サーフィンの楽しみも広がる。
海で面白そうなボードを乗っている人を見かけたら、話しかけてみるのも良いだろう。
「子供の頃からツインフィンに乗っていたんだ。ツインフィン、シングルフィンと色々ね。本格的にツインフィンに取り組むようになったのは、つい最近のことさ。今年に入ってからかな。センターフィンがないと、もっとスピードが出る。体感的にも速い。大きなサイドフィンを使ってもドライブ感は失われないのさ。スラスターでのサーフィンとはスタイルが違う。グライド感と一気にリリースする感覚。なにかダイナミックな感じとか、スラスターとは全て違うよね」
(空海)