福島と御宿の子供たちの交流サーフイベント開催『AKEUMI kids 海と日本プロジェクト』

一般社団法人「陽けたら海へ」が、2021年10月9日(土)〜10日(日)に千葉県御宿町で『AKEUMI kids 海と日本プロジェクト』と題した1泊2日のサーフイベントを行った。

「陽けたら海へ」は、元プロボディーボーダーであり、プロ引退後に聴覚障がい者としての経験を生かし様々な活動を行っている堀由美恵氏が代表を務める団体。『聴覚障がい者が活躍できる社会の実現』を理念とし、デフボディボードスクール、デフヨガレッスン、手話講座など幅広い活動を行っている。

今回のイベントは、日本財団が次世代へ海を引き継ぐために海を通じて人と人とがつながることを目的に展開する「海と日本プロジェクト」の一環として行われ、福島県の子供たち12名と御宿町の子供たち5名が参加。有志のプロの選手やボランティアスタッフと共に、ボディーボード、サーフィン、SUPなどの海の遊びを通じて交流を図った。

イベントには、大原沙莉、滑川あやみ、信裕子、山田亮一などのプロボディーボーダーや、ユージン・ティール、岡田匡平などのプロロングボーダーが協力。プロによるエキシビジョンなども行われ、子供たちにとってはプロの技術を間近で見れる機会となった。

子供たちに教える大原沙莉プロ

2011年の東日本大震災をきっかけに始まったこのAKEUMI kidsプロジェクト。現在は、JPSANSAの大会が開催されるほど福島の海も復興しているが、「笑顔の輪が広がりますように」という願いのもと、毎年1回このイベントが続けられている。

昨年9回目の開催となる予定だったが、新型コロナウイルスの影響で中止となった。今年も当初8月の開催予定だったが、10月に延期され、万全の感染症対策を実施しての開催となった。

代表の堀氏は、「このイベントを通して子どもたちに”無限の可能性を知り、希望を持つこと””挑戦すること恐れないこと”を伝えていきたい」とその想いを語っている。

スタッフ達が手話で会話する様子を見て、2日間で手話を覚えた子供もいた

「陽けたら海へ」とは

『聴覚障がい者が活躍できる社会の実現』を理念とし『海を通して聞こえる人も聞こえない人も笑顔でいられる社会の実現に貢献すること』を目的としてた団体だ。代表であるYUMIE氏自身の聴覚障がい者としての様々な経験を生かし、AKEUMI Activityとしてボディボードスクール、YOGAレッスン、講演活動、イベント企画のほか、Kahuluiデフ支援PJの一環としてデフボディボードスクール、デフヨガレッスン、手話講座といった活動を行っている。

陽けたら海へ代表 YUMIE氏

代表であるYUMIE氏は2歳の時に両耳の聴力を失ったが、18歳で「誰にでも平等である海」とボディボードの世界に出会い、様々な困難を乗り越え、プロとして世界大会にも出場し数々の結果を残してきた。

「目標ができると、練習も頑張れる。すぐに出来なくても、挑戦をすることで強くなれる。だから『挑戦をすることを恐れないで』」と、子供たちに伝えたいと思うようになったという。

当初は子供達にボディボードを通して海の楽しさ、海の厳しさなどを体験してもらいそこから笑顔になってもらえたらと思っていた矢先に東日本大震災が発生。自分たちが今何をすべきか考える中、千葉県の海へ福島のキッズを招くために「陽(あ)けたら海へ 〜FOR TOHOKU〜」をスタートさせ、今日まで続いている。

そして2021年に「一般社団法 陽けたら海へ」を設立。日本財団のサポートを受け、イベント名を「AKEUMI kids 海と日本プロジェクト」へ改名後、今回が初開催となった。

一般社団法人 陽けたら海へ
本社所在地:東京都大田区久ヶ原2-25-8
代表理事:堀 由美恵
設立:2021年3月31日
URL:https://akeumi.or.jp/

日本財団「海と日本プロジェクト」

日本財団 海と日本プロジェクト

さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクト。
URL:https://uminohi.jp/

(THE SURF NEWS編集部)

※当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等を禁じます。