ホノルル出身のアーティスト、カメア・ハダーが、約150フィートの巨大な壁画を完成させた。題材となったのは、ハワイのスポーツ界の伝説的存在である2人、現代のサーフィンのゴッドファーザーであるデューク・カハナモクと、5度のワールドチャンピオンであるカリッサ・ムーア。
カリッサ・ムーアは、サーフィンが初めて五輪競技となった東京オリンピックで金メダルを獲得したことは記憶に新しいが、デューク・カハナモクもまた1920年アントワープ五輪の水泳で金メダルを獲得している。
カリッサは五輪のメダリスト会見で「ハワイアンとしては、デューク・カハナモクの夢が101年の時を経て叶い、サーフィンがオリンピック競技になったことは特別なこと。」ともコメントしていた。
そんな2人の首に金メダルがかかった壁画は、ホノルルのサウスキング通りとペンサコーラ通りの近くにある約12階建てのビルの側面に設置され、向かいの学校からよく見える位置にある。ハダーは10月に絵を描き始め、約25日間をかけて11月11日に完成。遠くから見ると壮大だが間近で見ると結構リアルで、描くのにおおよそ75リットルの塗料、55リットルのプライマー、38リットルのクリアコートが使われたという。
目と顔の部分が特に難しかったという言うが、カリッサからは「お墨付き」をもらったそうだ。
「この壁画は長い間ここに飾られるので正直に言って欲しいとカリッサに伝えたら、素直にとても気に入ったしデュークと一緒に描かれていることもとても光栄だと言ってくれたので、純粋に作品を気に入ってくれているのだと思います。」
ハダーには5歳の娘がおり、カリッサは彼女の憧れの1人だそう。そして、カリッサの話をするならばデュークの話も不可欠だ、とこの巨大な壁画のアイデアになったという。ハダーは、この壁画を通じてデュークとカリッサという2人のハワイアンアスリートがいかにインスピレーショナルな存在かを改めて伝えていきたいと思っているようだ。
「まず1つは、ハワイはサーフィン発祥の地であり、サーフィンはカリッサを始めとして世界を旅しアロハスピリットを広められる手段だということ。そして、もう1つは、我々は人々をインスパイアし夢を実現させることができるということ。デュークは競泳でハワイ初の金メダリストだが、夢はサーフィンをオリンピック種目にすることだった。そして、100年以上経った今、彼の夢は実現した。私は、カリッサとデューク、そして彼らがどのようにして夢を実現したのか、そしてハワイ州を代表する人物であることに焦点を当てて、伝えたいと思ったのです。」
関連して、ビショップミュージアムでは、デュークとカリッサをフィーチャーした新しい展示が始まったほか、ハワイ国際映画祭にてデュークの映画「ウォーターマン」のワールドプレミアが上映された。
(THE SURF NEWS編集部)