Image: World Surf League(YouTube)

『Vans Triple Crown of Surfing』の新規格プログレッシブサーフボードとは?

映像でのコンテスト、デジタル形式に変わって2シーズン目となる『Vans Triple Crown of Surfing』

その締め切り2022年1月21日が過ぎて結果を待つばかりとなったが、今シーズンから採用された新規格プログレッシブサーフボードが面白いので紹介しよう!

今シーズンの『Vans Triple Crown of Surfing』のフォーマットはハレイワ、サンセット、パイプラインの3つの会場でそれぞれ2つの映像を提出するのが条件。
その内の少なくとも一つの映像はツインフィッシュやシングルフィンなどの通常のスラスター以外のボードを使用するというルールが加わり、それがプログレッシブサーフボード(進歩的,革新的)と表現されている。

意外なのがプログレッシブサーフボードを使用した映像が多くランクインしていること。

プログレッシブサーフボードの目印はスコア下のアンダーバーで、例えば締め切り前のランキングを見るとジョン・マイケル・ヴァン・ホーエンシュタインはハレイワ、サンセット、パイプラインの全ての映像をプログレッシブサーフボードで揃えている。

今回のプログレッシブサーフボードをフィーチャーした動画で中心人物になっているジョエル・チューダーの息子、トッシュもプログレッシブサーフボードでのパイプラインの映像がランクイン。
以前から見事に父のDNAを受け継いでいると評判のトッシュだが、バレルのスキルに関してはすでに父を超えているのかもしれない。

変わり種ボード

(デーン・グダスカス)
Image: World Surf League(YouTube)

今回のプログレッシブサーフボードというジャンルは、ある意味通常のスラスター以外のボードならなんでもOKという括りらしく、ハワイの伝統的なボードであるアライアや、カイ・レニーはウィンドサーフィンのようなストラップ付きのボードで足を密着させ、ありえない角度のエアリアルを披露していた。

更にカリフォルニアのデーン・グダスカスが持ち出してきたサーフボードはニーボードのような短さにユニークな形状のフィンを付けた所謂’変態ボード’で、サンセットビーチやハレイワに独特のマニューバーを仕掛けていた。

デジタルではないリアルなコンテストでは絶対にあり得なかった今回のプログレッシブサーフボードを使用するフォーマットは人と争うサーフィンではなく、純粋に波に乗ることを楽しむというサーフィン本来の姿をこの大きな舞台で示してくれた素晴らしいものだったと思う。

『Vans Triple Crown of Surfing』 公式サイト
https://www.vanstriplecrownofsurfing.com/

(黒本人志)

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